島の話だけれども、日本自体が島国。だから、みんなに通じること
『告白』『白ゆき姫殺人事件』『リバース』など数々のヒット作を生み出すミステリー作家・湊かなえさんが、自身の出身地である広島県の因島をモデルに綴った6編が収められた連作短編集『望郷』。その中から「夢の国」と「光の航路」が、それぞれ主演に貫地谷しほりさんと大東駿介さんを迎えて映画化されることに。9月16日(土)の公開を前に、原作者である湊さんに『望郷』についてお話をうかがいました。
「自分が一番知っている世界ってなんだろうとか、ほかの作家の方より知っている世界ってなんだろうって考えると島なのかなと思って。でも、島でミステリーというと、嵐で閉ざされたり村人全員が親戚だったり……。本格ミステリーのイメージが強くって(笑)。そうではなくて、島で普通に暮らしている人の葛藤やすれ違い、そういうものを書きたいなと。瀬戸内海の島の話ですけれども、日本も島国ですし、みんなに通じることなんじゃないかなということを書きたいなと思ったんです」