数多くのミュージカルのほか、朗読劇やテレビドラマにも出演。音楽活動も行うなど幅広く活躍し、常に観客を魅了する一路真輝さん。トニー賞作品賞ほか5部門を受賞した大ヒットブロードウェイミュージカル『モダン・ミリー』。主演に朝夏まなとさんを迎え、4月にシアタークリエで上演されます。1920年代のニューヨークを舞台にした本作。田舎町からやってきて充実した日々を送るミリーは、下宿先の女主人ミセス・ミアーズが女性たちを誘拐していると知り……。かつては女優で、現在は親切なホテル経営者のふりをしながら女性たちを誘拐するミセス・ミアーズを演じる一路真輝さんに、役柄などについて伺いました。
——悪役は初めてかもしれない、とおっしゃっていましたが……。
「悪に見せて実はすごくいい人だとか、そういう役はやっているんですけど、しっかり悪役というのは初めてかもしれないですね。そういうコメントをすると長年のファンの方から“初めてじゃないですよ”ってツッコミがけっこう来たりするんですけど(笑)。私も長く舞台に立っているので、忘れちゃってるところもあって。でも、たぶん初めてに近いかなという感じではあります。
ミセス・ミアーズは、元女優でホテルのオーナーなんですけど、実は怪しい組織の親分なんですね。その素性を隠すために中国人になりきっているという役どころなので、“悪役を演じます”と一言で言うよりは、若干難儀な役に巡り合ってしまったというほうが大きくて。ただ、今までやったことのないキャラクターに出会うと、どんなふうに作っていこうかなって考えるのがすごく楽しいんですよ。そういう意味で今回の役に関しては悪役を演じるというよりは、この難しい役どころをどう表現しようかなというほうに気持ちがいっています」