withコロナ時代の健康術 第5回(02) withコロナの新しい生活様式で生きなければならないこの時代に、50代以降から衰えやすくなる器官や機能を取り上げ、健康を保つための方法を紹介します。今回は「スマホ老眼」をテーマに平松 類先生にお話を伺いました。
前回の記事はこちら>> 〔解説してくださるかた〕
二本松眼科病院 副院長
平松 類(ひらまつ・るい)先生
●前回の記事
巣ごもり生活で増加する“スマホ老眼”を予防する>>目が悪くなると心にも影響し、うつ傾向になり幸福感が減る
目の健康を考えるときに、まず押さえておきたいのが目の働きと仕組みです。人が生きていくのに必要な情報の80パーセントは目から得ているといわれ、私たちが日常生活を営むうえで大切な役割を担っています。
また、目が悪くなると“世の中が灰色に見える”と表現する人がいるように心にも大きな影響を与え、うつ傾向になったり幸福感が減ったりすることが明らかになっています。
さらに、視力の低下に伴って要介護度が高まり、視覚による脳への刺激も減ることから認知症にもかかりやすくなるといわれます。
「高齢になると体が動かなくなる分、日常の楽しみを含めていっそう視覚に頼る生活になりますから、目の役割はさらに重みを増していきます」と平松先生はいいます。
【目の構造】
●モノが見える仕組み目の部位を一眼レフカメラの部品に例えると、角膜と水晶体がレンズ、虹彩が絞り、毛様体筋がオートフォーカス機能、網膜がフィルムに当たる。モノを見るときは角膜から入った光を虹彩で調整し、毛様体筋が水晶体の厚さを調節して光を屈折させてピントを合わせる。そして視神経が網膜の黄斑で結ばれた像を読み取って脳に伝える。一方、目の仕組みは一眼レフカメラによく例えられます。目の部位をカメラの部品に当てはめると、角膜と水晶体がレンズ、虹彩は絞り、毛様体筋はオートフォーカス機能、網膜がフィルムに相当します。
角膜から入った光を虹彩で調節し、毛様体筋が水晶体の厚さを調節してピントを合わせ、網膜の黄斑で結ばれた像を視神経が読み取って脳に伝えることでモノが見えます。
また、老眼に深くかかわるピント調節の仕組みでは毛様体筋が重要な働きをします。
近くを見るときは毛様体筋が収縮することで毛様小帯がゆるみ、水晶体が厚くなって近くにピントが合います。
反対に遠くを見るときは毛様体筋がゆるむことで毛様小帯が引っ張られて水晶体が薄くなり遠くにピントが合うのです。
【ピント調節の仕組み】
毛様体筋が収縮することで毛様小帯がゆるみ、水晶体が厚くなって近くにピントが合う毛様体筋がゆるむことで毛様小帯が引っ張られ、水晶体が薄くなって遠くにピントが合う『1日5分かけるだけ!100円メガネで視力は回復する!!』(平松 類著・永岡書店刊)を参考に作成
【老眼が起こる仕組み】
毛様体筋が衰え、柔軟性が失われると、近くのモノを見ても水晶体が厚くならず、ピントが合わなくなる。