withコロナ時代の健康術 第6回(02) withコロナの新しい生活様式で生きなければならないこの時代に、50代以降から衰えやすくなる器官や機能を取り上げ、健康を保つための方法を紹介します。今回は「手と指の痛み」をテーマに平田 仁先生にお話を伺いました。
前回の記事はこちら>> 〔解説してくださるかた〕
名古屋大学 大学院医学系研究科 教授、同大学 予防早期医療創成センター 教授
平田 仁(ひらた・ひとし)先生
●前回の記事
家事・仕事・趣味を続けるために“手と指の痛み”を予防する>>手や指は腕、肩、首、背中と密接にかかわっている
前腕や肩、背中の筋肉も連動
手や指では小さな骨と関節、腱や腱鞘がつながって、その複雑で細かい動きを可能にしています。
手と指には筋肉は少なく、それらを動かす原動力は、実は前腕にあります。前腕の筋肉の一部が腱になり、それが指の先まで続いていて、手と指を動かしているのです。そして、前腕はひじや肩、背中などの筋肉が連動することで動きます。
一方、手と指の神経のおおもとは首(頸椎)にあります。
このように手・指は腕、肩、首、背中と広範囲の影響を受けます。
「手や指が痛い、しびれるなどの症状を訴える人の多くが肩や首、背中などの痛みや違和感も抱えています」と平田先生は話しています。
多数の小さな骨がつながっている手と指
手には8個の手根骨と5個の中手骨、指には14個の骨がある(親指には中節骨がない)。これらの骨が関節によってつながり、手や指の複雑な動きを可能にする。手根骨のうちの3個は前腕の橈骨(とうこつ)とつながり、手や手首、前腕の動きにかかわる。