大人のダイエット 第3回(全12回) ダイエットといえば食事を制限し、体重を減らすことばかりに気を取られていませんか。若い頃に比べて太りやすくなったのは年に1パーセントずつ筋肉が減少し、基礎代謝が低下しているからです。つまり、大人のダイエットを成功させるためには筋肉の量を維持または増やすことが重要です。それは確実に、美しい体をつくることにも、健康寿命を延ばすことにもつながります。
前回の記事はこちら>> 骨を刺激して老化を防ぎ転倒や骨折にも強い体に
ダイエットに効果的なのは「下半身の筋トレ」です。下半身には大腰筋、大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングスなど大きな筋肉が集中しており、ほかの筋肉を鍛えるより短時間で効率的に筋肉を増量することができます。
下半身の筋肉量を増やし太りにくい体をつくる
全体の筋肉量が増えれば基礎代謝もぐんとアップし、消費エネルギー量が増えることで体重が減り、太りにくい体に。
さらに下半身の筋トレは閉経以降に減ってくる骨の細胞にも刺激を与えて老化を防ぎ、転倒や骨折に強い体づくりにも役立ちます。
将来の寝たきりリスクを低下させ、健康寿命を延ばせる一石二鳥のトレーニングなのです。
3〜5種目を週3日以上行うのが理想ですが、忙しいときは週2〜3回のスクワットだけでも効果は十分です。
つくばウエルネスリサーチ シニアエキスパート
鶴園卓也先生フィットネスクラブのインストラクターを経て現職。大学院で学んだ公民連携の知識も生かし自治体や企業への健康増進事業コンサルティング業務を担当する。ダイエットを成功させるために鍛えるべき筋肉
●大腰筋(だいようきん)腰の脊柱(上半身)と太ももの大腿骨(下半身)をつなぐインナーマッスル。歩行時に脚を引き上げたり踏み出したりするときに働く。
●大腿四頭筋(だいたいしとうきん)太ももの前側にある筋肉群(大腿直筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋)の総称。全身で最も強くて大きい筋肉。膝を伸ばすときに働き、大腿直筋は膝を持ち上げるときにも働く。
●大臀筋(だいでんきん)お尻全体を覆っている大きな筋肉。太ももを後ろに引いたり、脚を外側に回すときなどに働く。
●ハムストリングス太ももの裏側にある筋肉群(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)の総称。太ももを後ろに引いたり、膝を曲げるときなどに働く。
撮影/本誌・大見謝星斗(人物) イラスト/にれいさちこ 取材・文/渡辺千鶴
『家庭画報』2021年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。