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“入り口”を間違えない病院選び。遠くの大病院より近くのクリニック

2017.12.22

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【新連載】お医者さまの取扱説明書 内科医に教わる患者と医師の良好コミュニケーション術 病院で、医師と意思の疎通ができないイライラや、話のかみ合わない不満を感じることはありませんか? 医師の言動の意味や意図がわかれば、すれ違いも少しは解消できるのではないでしょうか。“橋渡し役”は、総合内科医の尾藤誠司先生。さまざまな場面での医師との上手なコミュニケーション術を伺います。記事一覧はこちら>>


尾藤誠司(びとう・せいじ)先生
1965年、愛知県生まれ。岐阜大学医学部卒業後、国立長崎中央病院、国立東京第二病院(現・東京医療センター)、国立佐渡療養所に勤務。95年〜97年UCLAに留学し、臨床疫学を学び、医療と社会とのかかわりを研究。総合内科医として東京医療センターでの診療、研修医の教育、医師・看護師の臨床研究の支援、診療の質の向上を目指す事業にかかわる。著書に『「医師アタマ」との付き合い方』(中公新書ラクレ)、『医者の言うことは話半分でいい』(PHP)ほか。

「具合が悪い」と「病気」は同じ意味ではない


私たちが病院にかかるのは、たいてい具合の悪いときです。痛い、だるい、めまいがする、咳が止まらない、落ち込みがちなど、何かしらつらい症状を医療の専門家である医師に治してもらうために、病院を利用します(自覚症状のない場合や救急については後述)。


ところが尾藤誠司先生は、「患者さんの訴えを医師が病気と判断する確率は50%以下だ」というのです。いったい、医師は「病気」を何だと考えているのでしょうか。

「一つは、放っておくと悪化し、命にかかわる状態になりうること。もう一つは、その状態に対する医学的な手立てが存在する(保険診療上の病名が存在する)ことです」

驚くことに、そこに患者がどれだけつらいか、困っているかの基準は存在しません。しかも「はっきり線引きができないことも多い」というのです。「たとえば腹痛。腸の動きに問題のある過敏性腸症候群や機能性ディスペプシアはれっきとした病気ですが、検査で異常が出るわけではないので、病気か否かの境目が非常にあいまいなのです」。

しかし私たちは、境目がどうであれ、つらさを早く何とかしてほしいだけ。やっとたどり着いた病院で「……うーん、これは病気じゃないですね」などと門前払いをされたら、泣きっ面に蜂。このすれ違いをどう解決したらよいのでしょうか――。
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