withコロナ時代の健康術 第12回(03) withコロナの新しい生活様式で生きなければならないこの時代に、50代以降から衰えやすくなる器官や機能を取り上げ、健康を保つための方法を紹介します。今回は「骨の貯金」をテーマに能瀬さやか先生にお話を伺いました。
前回の記事はこちら>> 〔解説してくださるかた〕東京大学医学部附属病院 女性診療科・産科医、日本産科婦人科学会専門医
能瀬さやか(のせ・さやか)先生
●前回の記事
閉経や加齢が大きなリスクに。「骨粗しょう症」の誘因と起こりやすい部位>>たんぱく質やカルシウムをしっかり摂取する
骨を健康に保つには、まず骨の材料となるたんぱく質やカルシウムを摂取することが欠かせません。加齢によって吸収力が落ちるともいわれるため、若いときよりも多めに摂りたいものです。
血圧調節などの重要な働きをするカルシウムはその99パーセントが骨に含まれています。
骨以外の場所でカルシウムを使う必要があり、かつ栄養素としてのカルシウムの摂取が足りない場合には骨を溶かして供給するため、日頃からしっかりと骨に貯蔵しておくことが大切なのです。
そのためにはカルシウムを摂るだけでなく、カルシウムを排出させるリンが多い加工食品や、コーヒーを摂りすぎないように注意します。
腸管でのカルシウム吸収を助けるビタミンD、骨形成を促進し、骨吸収を抑制するビタミンKの摂取も心がけましょう。
骨粗しょう症を促進してしまう過度の飲酒や喫煙も避けたいものです。
丈夫な骨を保つために必要な栄養素
骨の材料となるたんぱく質、カルシウム、腸管でのカルシウム吸収を助けるビタミンD、骨形成を促進し、骨吸収を抑制するビタミンKが不足しないように摂取する(ビタミンKは血液凝固作用があるため、ワーファリンなどの血栓防止の薬を飲んでいる人は過剰摂取に注意)。
カルシウムの吸収を妨げるアルコール、カルシウムの排出を促すコーヒー、リンを多く含む加工食品を摂りすぎないことにも気をつけて。