天野惠子先生のすこやか女性外来 第1回(04) 日本の女性医療、性差医療の先駆者で、ご自身の更年期体験も山ほどお持ちの、天野惠子先生の連載「すこやか女性外来」。今回は、天野惠子先生が推薦する、全国・女性外来を紹介します。
前回の記事はこちら>> 【天野惠子先生が推薦】全国・女性外来を訪ねて
伊豆美レディスクリニック 院長 坂本 伊豆美先生
●前回の記事
更年期の不調や病気予防に! 女性医療の先駆者が教える生活習慣の「基本5か条」更年期治療も乳がん・子宮がん検診も。
幅広く応じる“パートナー医”を目指す
坂本 伊豆美先生(さかもと・いずみ)1980年北里大学医学部卒業。北里研究所病院婦人科副部長を経て、2004年同病院内に女性科を立ち上げ女性科部長となる。2008年伊豆美レディスクリニックを開院。日本臨床細胞学会細胞診専門医、検診マンモグラフィ読影認定医ほか。がんを高い確率で発見し迅速に治療に回す
伊豆美レディスクリニックの特徴は、更年期と20~30代を中心に幼児から高齢者まで幅広い年代と症状に対応している点です。
生理痛、ホルモン補充療法、骨粗しょう症など幅広い年代の患者さんに対応している。特に力を入れているのは、乳がんや子宮がんの早期発見。院長の坂本伊豆美先生はマンモグラフィ読影と細胞診の専門資格を持ち、これらのがんを数多く見つけています(近年1年間の実績は乳がん33例、婦人科系がん29例、甲状腺がん5例)。
初診で怪しいと思ったら必要な検査を行い、約2週間後には診断をつけて治療に回すなど、対応は極めて迅速です。
マンモグラフィ(左写真)と乳房エコー検査(右写真)を用いて多くの早期乳がんを発見している。「ホルモン補充療法と乳がん・子宮がんの検診を1か所で行えると、患者さんの負担も少なく、早期発見につながるメリットがあります。更年期の多岐にわたる症状にもさまざまな治療法でアプローチしており、何より患者さんが気軽に来られるクリニックであることが大事だと考えています」
増えている女性のがん。親子三代の患者さんも
9人に1人が乳がんにかかる時代になりました。誰がなってもおかしくないと自覚して検診を怠らないことが大事だと坂本先生はいいます。
「更年期世代の子宮体がんも増えており、その95パーセントに不正出血がみられます。少量でも月経不順だろうと思い込まず、婦人科を受診してください。さらに若い女性にはぜひ子宮頸がんワクチンを打ってほしい。妊娠出産と子宮頸がん発症のピークが重なるのです」。
ハート形のクッションや絵画を飾り待合室の雰囲気も優しく。30年間通い続ける女性や親子三代でお世話になる患者さんの存在は、坂本先生への信頼の証。
「患者さんと一生おつきあいさせていただける“パートナードクター”でありたいですね」。
Information
伊豆美レディスクリニック
神奈川県横浜市青葉区新石川3-14-1 ドレッセたまプラーザ
撮影/本誌・武蔵俊介 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2022年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。