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喘息や肺炎につながりかねない「秋の鼻炎」にご用心! 持病のある人は特に注意を

2022.09.08

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漢方の知恵と養生ですこやかに 第9回(01) 処暑を過ぎやがて秋分へ――。この季節の変わり目に気をつけたいのが呼吸器系の病気。くしゃみや鼻水が咳に変わり、喘息や、場合によっては肺炎をも起こしかねません。春先とは異なる、秋口の鼻炎ならではの症状と養生法を根本先生に伺います。前回の記事はこちら>>

汗をかかなくなると肺に負担がかかる
喘息や肺炎に進みかねない「秋の鼻炎」にご用心


〔解説してくださるかた〕横浜薬科大学客員教授・薬学博士 漢方平和堂薬局店主 根本幸夫先生

根本幸夫先生


1947年生まれ。1969年東京理科大学薬学部と東洋鍼灸専門学校を同時に卒業後、さらに鍼灸と中国医学を学ぶ。「普段の生活こそが治療の場」をモットーに、漢方平和堂薬局(東京都大田区)では多くの人々の健康相談にのり、養生法をベースに漢方薬処方を行う。(社)日本漢方連盟理事長。前・横浜薬科大学漢方和漢薬調査研究センター長。著書多数。

秋のくしゃみ、鼻水は、咳につながり重症化しやすい


残暑も日に日に和らいでほっとする半面、日が暮れるのも早くなり、もの哀しさを感じたり、物思いにふけったり――。秋口の気候の変化は春先とは異なる趣深い心情をもたらすものです。一方、季節の変わり目の影響は体にも及び、やはり春とは違うこの時期特有の養生が必要になってきます。

たとえば鼻炎。春の鼻炎は陽気が上昇し鼻の粘膜が充血することによって生じ、症状はつらくても鼻周辺にとどまることが多く、重症化することは稀です。これに対して秋のくしゃみや鼻水は、さらに奥の気管支や肺に及び、咳や喘息、場合によっては肺炎にまで至る恐れがあります。

「五行説」(中国医学の基本思想。自然界のすべてのものを「木(もく)火(か)土(ど)金(こん)水(すい)」の5つの要素にあてはめ、互いの関係性を見出す)によると、秋と肺と鼻は同じ「金」に属します。つまり秋には鼻の症状が肺に達しやすいことを示しているのです。
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