仲間由紀恵さんと巡る
レトロモダンな“ときめく銀座”
老舗の名店から流行の最先端をいくブティックまで、さまざまなスポットを擁する座は、通りを一つ隔てるだけで表情をガラリと変える街。女優の仲間由紀恵さんとともに、今も昔も、心ときめく“銀座時間”を過ごしました。
ブラウス3万6300円 パンツ3万円/ともにマレーラ(三喜商事) ネックレス/スタイリスト私物「時間の流れが少し違う、自分の中の“余裕”を確かめられる街という気がします」── 仲間由紀恵さん
銀座5丁目の裏通り、レトロな回転扉を押して足を一歩踏み入れた途端、シックな雰囲気に包まれる「トリコロール本店」。この日は2階の窓側の席へ。煉瓦の壁や大理石のテーブル、いくつも飾られた小さな絵画......そこには静かな時間が流れます。
「とても贅沢な時間ですよね」。仕事や育児に忙しい仲間さんには貴重な“お一人さま”の時間です。創業当初から画家や文士に愛されてきたカフェで感性に響く安らぎの時を過ごします。
ネルドリップで1杯ずつ丹念に淹れられるアンティークブレンドコーヒーにエクレアを添えて。エクレアのクリームは注文を受けてから詰めるスタイル。シューとの食感のハーモニーが堪能できます。よい緊張感を受け取れる、それも銀座の魅力
つい最近まで、育児をしながら、朝の連続ドラマの撮影をこなしていた仲間由紀恵さん。
「先日、本当に久しぶりに友人のお買い物につき添ったのですが、ゆったりとした広いお店だったので試着をいくつか私にもすすめてくださって。一つのお店でこんなに長く過ごせたのはどのくらいぶりかしら?と嬉しくて。あぁ、少しずつ(子どもたちが)手を離れてきているということかな、余裕も持てるようになったのだなぁ、と実感したんです」
ゆっくりお買い物ができるという理由で、ご出産前も銀座を訪れることが多かったのだそう。
「年齢を重ねるにつれ、きちんとしたアイテムが必要になってきましたので銀座にはよく足を運びます。銀座の名店には、老舗であったり、文化的な背景を有するところ、特有の緊張感がありますよね。そんな銀座で過ごすひとときは、私にとってよい経験になると思っています」
明治時代、銀座の街は煉瓦建築とガス灯照明をいち早く採用し、文明開化のシンボルとして人々の心を高揚させました。過去の大火事を教訓に、火に強い街を煉瓦で築くという気運も高まっていたのでしょう。銀座1丁目で「煉瓦銀座之碑」という石碑とともに、今も銀座の街を見守っている一本の街灯。灯柱の部分は明治時代のものを使用し、発掘された煉瓦を「フランス積み」にて敷き詰めて、当時のままを再現しているのです。コート40万1500円 バッグ18万3700円 靴(参考商品)/すべてマックスマーラ(マックスマーラ ジャパン)「さまざまな文化を包み込み前向きに進化していく逞しさ、“懐の深さ”も銀座の魅力ですね」── 仲間由紀恵さん
由緒ある劇場や代々続く老舗が多い一方で、斬新な建築や近未来的な施設も多い街、銀座。本流でありながら常に革新へと進むパワーにも溢れています。そんな銀座を愛する仲間さんも、最近はますますお仕事の領域を広げているそう。
「仕事では、丁寧に自分らしさを積み上げていくことが大事だと思っています。新しい分野のお話が来たときには、その道に強いかたを紹介していただくなど、準備の道筋を立てて、『これなら頑張れるかな』という感触を早めにつかんで『挑戦します』といえる自分でいたいんです」。
新しい、未踏の領域にも胸をときめかせながら、常に前進される仲間さん。これからのご活躍も楽しみです。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/浅井佳代子 スタイリング/佐伯敦子 ヘア&メイク/田中 博〈STORM〉 取材・文/大杉美氣
『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。