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10万人近くを診てきた実績を生かし、女性の不調に向き合う「山梨県立中央病院 女性専門科」

2022.11.09

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天野惠子先生のすこやか女性外来 第6回(04) 「私の血圧は低めだから大丈夫」と安心していられるのは閉経前まで。エストロゲンの庇護がなくなる更年期以降、女性の血圧は上昇しはじめます。覚えておきたいのは、加齢による血圧の上がり方が女性と男性では異なること。天野先生が性差医療をベースに、“女性のための”血圧の話をお届けします。前回の記事はこちら>>

【天野惠子先生が推薦】全国・女性外来を訪ねて
山梨県立中央病院 女性専門科 部長 縄田昌子先生


●前回の記事
血圧を下げるための7か条とは? 自然に減塩できる野菜スープのレシピも

17年間、のべ10万人近くを診てきた実績を生かして
女性の抱えるあらゆる不調を改善に導く



縄田昌子先生

縄田昌子先生(なわた・しょうこ)
1998年山形大学医学部卒業。藤沢市民病院、山形大学医学部附属病院を経て、2005年、山梨県立中央病院に女性専門外来(2015年より女性専門科と改称)立ち上げと同時に入局。2017年より現職。日本内科学会総合内科専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本性差医学・医療学会所属。

傾聴と共感を基本に解決方法を一緒に探る


女性医療ひとすじの縄田昌子先生が専任で率いる女性専門科。診療枠は週14コマと多く、検査で異常が出ない、症状が多岐にわたるなど女性特有の「持っていき場のない不調」も解決に導いています。院内の総合診療科と連携し、病気を見逃さない体制が整っているのも安心です。

中待合室

女性医療関係の資料を閲覧できる中待合室。

個室の診察室

プライバシーに配慮した個室の診察室。

女性外来の基本方針は傾聴と共感。体調が悪くなってからの経緯に耳を傾けることで、患者さんは「受け止めてもらえた」と安心し、医師は話を整理し問題点を探ることができます。

漢方

症状緩和に漢方薬は必須。受診者の65パーセント以上が漢方薬のみの処方だ。

「食事・睡眠・入浴の基本的な生活が乱れがちのかたが多いですね。家族に合わせざるを得ない事情があるにしても、しなくていいことをやらなければと思い込んでおられる場合もあります。漢方薬で症状を和らげつつ、お一人お一人の事情や心情に合わせて無理のない修正方法を一緒に探していきます」

看護師もかかわる体制。安心感が症状を軽く


重要なのが看護師の存在です。予約電話の受付も女性専門科担当の看護師が対応し、診察前には話を聞いてアドバイスを行い医師につなぎます。なかには予約の電話で話をしただけで眠れるようになったという患者さんも。

医師と看護師がダブルでかかわる体制が安心と満足につながり、初診で症状が軽くなるケースがほとんどだといいます。

予診室

予診室で看護師が話を聞きアドバイスを行う。患者の安心感、満足感は大きい。

血圧

更年期には高血圧も気になりはじめる。診察時に測り、高めの場合は血圧手帳で日々の血圧管理をしてもらう。

更年期は動脈硬化性疾患も増えてくる頃。血圧・脂質・血糖値を調べて予防的アドバイスを行い、しがらみの多い多忙な時期を乗り越えるコツも伝えます。

「親御さんの介護も、やらされているのでなく自らの意志だと考える。自分を主役に置くだけでストレスは軽くなります」

Information

山梨県立中央病院

山梨県甲府市富士見1‐1‐1

天野惠子先生のすこやか女性外来

1「更年期は女性の体の“変化のはじまり”」
1−1 更年期と“その後”の元気のために、体の変化を知りましょう
1−2 女性の健康の守り神・エストロゲンがゼロになったら、生活習慣で補いましょう
1−3 更年期の不調や病気予防に! 女性医療の先駆者が教える生活習慣の「基本5か条」
1−4 女性外来を訪ねて「伊豆美レディスクリニック」

2「だるさ、頭痛、冷え、動悸も。更年期の不調は全身に」
2-1 10年間、我慢するのはもったいない。自分に合う対処法を見つけましょう
2-2 更年期の症状が全身に出るのはなぜ? 訴えの多い10の不調と対処法
2-3 更年期症状の程度を知り、適切な対処法を。専門医も使う簡易テストでセルフチェック!
2-4 女性外来を訪ねて「春日クリニック」

3「不眠、イライラ、うつ、思考力低下。更年期は心も脳も不安定」
3-1 不眠、イライラ、うつ、思考力低下…。更年期のメンタルの不調を正しく知ろう
3-2 更年期のメンタルヘルスを左右する3つの物質とは。減少すると起こる不調は?
3-3 更年期のメンタルを改善するには? 症状に応じた漢方薬や生活習慣の見直しを
3-4 女性外来を訪ねて「こころとからだの杉本クリニック」

4「女性の元気を支える“骨・筋肉・血流”の三本柱」
4-1 更年期以降の人生を健やかに過ごすには、“骨・筋肉・血流”の三本柱が大切です
4-2 骨量と筋肉量は何歳からでも改善できる! まず年齢による変化を知りましょう
4-3 脳と心臓の健康を保つカギは「血流」。動脈硬化を防ぐために注意したい3つのリスク
4-4 女性外来を訪ねて「和歌山ろうさい病院 女性専門外来」

5「骨粗しょう症を予防し、“転んでも折れない骨”をつくる」
5-1 骨粗しょう症を予防するために、骨量維持は更年期女性の重要な“ミッション”!
5-2 “女性であること”が骨粗しょう症のリスク!? 骨量減少に気づくために5年に1度の骨密度検査を
5-3 骨は自分でつくるもの。骨粗しょう症を防ぐために、実践したい食事と運動とは?
5-4 女性外来を訪ねて「アットホーム表参道クリニック」

6「“高血圧なんて関係ない”は大きな間違い。今から減塩を」
6-1 自分には関係ないと思っていませんか? 更年期以降、誰にも高血圧のリスクが生じます
6-2 加齢とともに女性の血圧は3段階で変化します。自分の“高血圧リスク”を知って対策を
6-3 血圧を下げるための7か条とは? 自然に減塩できる野菜スープのレシピも
6-4 女性外来を訪ねて「山梨県立中央病院 女性専門家」

*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。 URL:http://www.nahw.or.jp/hospital-info *「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信している。 公式サイト「女性外来オンライン」:https://joseigairai.online/ YouTube「女性外来オンラインチャンネル」はこちら>>
撮影/本誌・大見謝星斗 取材・文/浅原須美

『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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