“心臓がドキドキ、息がゼーゼー”するとき
動悸は更年期以降によくある症状。心配のいらない加齢現象です
天野惠子(あまの・けいこ)先生静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。自律神経の乱れで生じる、いわゆる更年期症状の一つ
「年を重ねると増えてくる動悸。まずは生活リズムを整え、気になるときは漢方薬で様子をみましょう」── 天野惠子先生
激しく動いたわけでもないのに心臓がドキドキと強く、あるいは速く打つのを感じたり、息苦しくなったり。更年期を過ぎると何の前触れもなく動悸や息切れが起きることが増えてきます。
また、心電図検査で不整脈が見つかり、ときどき脈が飛ぶのを自覚する人もいるでしょう。
心臓や呼吸は命に直結するものだけに少しの異変でも心配の種となりますが、重大な病気が隠れているケースはごくまれ。
ほとんどの場合、女性ホルモン・エストロゲンの減少が自律神経の乱れを引き起こすために生じる更年期症状の一つと考えられ、ほかの不調を同時に併せ持つことが多くなります。
病気を過度に心配するより生活習慣の見直しを
動悸・息切れを訴える女性の話を聞いてみると、明らかに精神的ストレスが要因と思われることが多く、じっくり話を聞いてもらうだけで気が楽になり症状が治まってくる人もいます。
また夜更かしや睡眠不足、不規則な食事など、生活習慣の乱れが自律神経のバランスを崩しているケースも最近増えています。
まれに治療の必要な病気が隠れていることがあり、受診が必要な症状を見逃さないことも大事ですが、やはり基本は「生活習慣の見直し」。生活が整えばやがて、動悸・息切れだけでなく体全体の調子がよくなることを実感できるでしょう。
*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:
http://www.nahw.or.jp/hospital-info*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。
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