「食事を抜いているのにまったくやせない」。その理由とは

人間の体は空腹状態が続くとエネルギーをため込む性質があるため、食事を抜くと太ります。回数を増やしましょう。

〔解説してくださるかた〕
大湯リハビリ温泉病院 常務理事　小笠原達記念温泉医学研究所 所長・温泉保養館館長　池田充宏（いけだ・みつひろ）先生




筑波大学大学院にて疾病の運動処方の研究を開始、博士号を取得。45万人以上の健康管理に携わり、そのビッグデータの解析から誰もが無理なくできる健康管理法を導き出し、多くの企業や自治体を指導してきた。また、国内外のトップアスリートの能力評価、減量、トレーニング、リハビリにもかかわる。

食べるのを我慢し続けると基礎代謝が低下する

ダイエットの際、たいていの人は「食べるから太る。それなら食事を抜けばいいんでしょ」と考えがちですが、これが大きな間違い。実は食事を抜くと太るのです。

「飢餓状態に置かれると食べた物から余分にエネルギーを蓄え、それを使って生きていく仕組みが人間の体には備わっています。食事の回数を減らすと空腹感が強まり飢餓状態と同じになります」と池田先生は指摘します。

人間は、血糖値が上昇し十分な量を食べたという合図、もしくは胃の中が食べ物で一杯になったという合図のどちらかが脳に送られることにより満腹感を得ます。

食事を抜くと強い空腹感に襲われて“ドカ食い”をします。すると、血糖値が急激に上昇し、それを抑え込むためにインスリンが一気に分泌され、今度は低血糖となり、十分な量を食べているのに満腹感がなく、さらに食べ続けて太るという悪循環に陥ります。

“早食い”も血糖値が上昇する前に胃の中に食べ物が入ってくるので満腹感を得られず、ドカ食いと同じような状況になります。