起こすと危ない。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血
20年後、30年後の元気のために更年期から脳卒中の予防を
天野惠子(あまの・けいこ)先生静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。女性の脳卒中には女性なりのリスクがある
「くも膜下出血は女性に多い。50歳になったら全身の健康チェックを行いリスクを洗い出しましょう」── 天野惠子先生
「脳卒中」と聞くと、後遺症が残り命にかかわる怖い病気といった印象と同時に、男性に多いイメージを持つかたも多いのではないでしょうか。しかし、必ずしもそうではなく、女性には女性なりのリスクがあることを知っておく必要があります。
脳卒中は脳の血管の障害で生じる病気の総称で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3種類があります。
閉経前の女性の血管はエストロゲンの作用で守られているため脳梗塞や脳出血は少ないのですが、更年期以降、男女差は徐々に縮まり、高齢になると逆転することに。
高齢で発症すると当然、重症化しやすく予後が悪くなります。だからこそ50歳を過ぎた女性には、“自分の血管は自分で守る”意識と行動が必要です。
女性に多いくも膜下出血。将来の健康を左右するのは今
脳卒中の中でも、血管にできた瘤が破裂して起きるくも膜下出血は男性より女性に多く、60代以降の女性の発症率は男性を大きく上回ります。瘤ができるのを防ぐのは難しく、瘤が見つかったら破れないようにコントロールすることが重要です。
脳卒中は何よりも予防が大事。50歳になったら脳の状態も含め全身の健康診断を行い、病気のリスクを洗い出して、生活習慣を見直しましょう。更年期からの暮らし方が20年後、30年後の健康状態を左右することは明らかです。
*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:
http://www.nahw.or.jp/hospital-info*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。
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