母娘(おやこ)いっしょにもっと元気で、いきいきと 第7回(全11回) これからの日々を心身ともにもっと健やかに過ごすためのさまざまなヒントをお伝えします。たとえば、母と娘がよい関係で年を重ねるコツ、いつまでも美しく若々しくいる秘訣、健康のためにできること──などなど。母、娘どちらの立場のかたにも役に立つ「人生を豊かにするヒント」を一緒に探していきましょう。
前回の記事はこちら>> 中井美穂さんが語る、母と娘の“推し活”の楽しみ「“推し”は元気の源です!」
舞台の上で輝きを放つスターにときめき、お芝居や音楽を堪能する時間は、心に張りや生きがいをもたらす、若さの秘訣。年間250公演以上のステージを観劇している中井美穂さんに、母娘での楽しみ方を伺いました。
前回の記事はこちら>>“好きの連鎖”で興味も行動範囲も拡大
毎日のように上演されるたくさんの舞台の中から“推し”を見つけるには、どうすればよいのでしょうか。
「きっかけが何であれ、まずは劇場に足を運ぶこと。玉三郎さんを拝みたいとか、ジャニーズの○○くんの演技を生で観てみたいとか、気になる“人”から入るのもいいですし、お芝居好きのお友達に連れて行ってもらうのもいいでしょう。“好き”という点でつながると、母娘でもお友達同士でも話題は尽きず、関係も深まります。
観劇後にパンフレットを読み返して余韻を味わうことも。歌舞伎座にほど近いホテルグランバッハ東京銀座のスイートルームにて。「チケットを手にした瞬間から家に帰った後まで観劇の楽しみは続きます」(中井さん)「ただし、宝くじと同じで大当たりもあれば、時にはピンとこないお芝居もあるかもしれません。まずはいろいろご覧になって、気になる“推し”を見つけたら、育てる気持ちで応援してみては?」
ほぼひと月と公演期間が長いので観劇スケジュールが組みやすく、母娘で長くファンを続けるかたが多いのが、宝塚歌劇と歌舞伎です。
「宝塚では新人公演からチェックしていたスターさんがキャリアを重ね、トップになって卒業していくまでを追い続けることができますし、一人のスターだけでなく所属する組までもが“推し”になっていくことも多いですね。
歌舞伎では役者さんが結婚し、お子さんが生まれて初舞台を迎え、やがて襲名して立派に成長していく……という一大絵巻を、こちらも母から娘へ、と世代を超えて応援し続けるのも素敵ではないでしょうか。興味が増すと同じ演目を次には違う役者さんでも観てみたくなったり、作者や演出家が手がけるほかの公演にも出かけたり、原作や資料を紐解いたりと、どんどん世界が広がっていくはずです」
"推し"の舞台をエネルギー源に
中井さんはその日観るジャンルやお目当ての役者さんに合わせて、サブバッグやチケットホルダーを使い分けているそう。
「“推し”ができるとグッズも欲しくなりますし、あの劇場に行ったら帰りにはあのレストランで食事をしよう、とか、歌舞伎座や国立劇場なら早めに行って館内の名画を鑑賞しよう、とか。お芝居そのものだけでなく、周辺にもたくさんの気持ちが上がる楽しいことが待っています」
舞台芸術は劇場に足を運び、演じ手と同じ時間と空間を体験してこそ、その真髄を味わえるもの。心の中にしか残らないからこそ、感動を一緒に味わったかたとの絆が深まります。
「演劇や舞踊は、もともと神様に捧げるものだったそうですね。研鑽を重ねた役者さんが目の前で踊り、歌い、お芝居するのを観ることで得られる感動からは、何にも替えがたいパワーをもらえます。ときめくことで脳も活性化されますし、もしかしたら免疫力だって上がってしまうかもしれません(笑)。
観劇の楽しみはチラシを手にして日程を決めチケットを取ったところから始まり、観終わってお茶や食事をしながら感想を語り合い、家に帰ってパンフレットを読み返すまでずっと続くもの。ぜひ母娘で分かち合い、盛り上がってていただきたいと思います」
中井美穂さんとお母さまの幸子さん左・雑誌の撮影でお母さまが見立てたきものを着た際の記念。右・美穂さんが生まれて間もない頃。「観劇のお供にしたい」“推し活”グッズ
パンフレットやお土産がスマートに収まる「サブバッグ」愛らしい犬のチャームの中にコンパクトに収まるバッグ。3万5200円/アニヤ・ハインドマーチ(アニヤ・ハインドマーチ ジャパン TEL:0800-800-9120)
細かな表情も見逃せないから「オペラグラス」は必携ドレスデン国立歌劇場をはじめヨーロッパの歌劇場や音楽ホールでも採用されている華やかなモデル。2万4200円/エッシェンバッハ(エッシェンバッハ光学ジャパン TEL:03-3293-8570)
その日の公演に合わせて「チケットホルダー」を使い分け左・初代国立劇場さよなら記念グッズ。右・尾上松也さんの自主公演のチケットホルダー 。/ともに中井さん私物
チケット代のやり取りはエレガントな「金封」で左・播磨屋や萬屋なら蝶、音羽屋なら扇や菊、中村屋なら銀杏と、歌舞伎役者さんの紋にちなんだモチーフを。300円/ 東京松屋 TEL:03-3842-3785 右・宝塚ファンならすみれや、花・月・雪・星・宙と組の名前にちなんだ絵柄を。/中井さん私物
中井美穂さんがナビゲート “推し”が見つかる 公演情報
●ミュージカル『太平洋序曲』幕末、開国へと向かう日本を描く物語。山本耕史さんはじめ今をときめくスターが勢揃い。
2023年4月8日(土)~16日(日)
梅田芸術劇場メインホール
(問)梅田芸術劇場メインホール
TEL:06(6377)3800
●「鳳凰祭四月大歌舞伎」夜の部『与話情浮名横櫛』片岡仁左衛門さんと坂東玉三郎さんの待望の共演演目。今、観ておくべき歌舞伎の一つです。
2023年4月2日(日)~27日(木)歌舞伎座
(問)チケットホン松竹
TEL:0570-000-489
●『オーケストラで楽しむ映画音楽XIV』ジャンルを超えた映画音楽をフルオーケストラで。ゲスト・ヴォーカルは福井晶一さん。
2023年4月8日(土)
ミューザ川崎シンフォニーホール
(問)ミューザ川崎シンフォニーホール
チケットセンター TEL:044(520)0200
●『エンジェルス・イン・アメリカ』伝説的戯曲を二部作一挙上演。出演者はすべて、オーディションで選ばれた実力派揃いです。
2023年4月18日(火)~5月28日(日)
新国立劇場 小劇場
(問)新国立劇場ボックスオフィス
TEL:03(5352)9999
●宝塚歌劇 星組公演『1789-バスティーユの恋人たち-』舞台は革命前夜のフランス。フレンチロックの楽曲も主人公の少年っぽさも、情熱溢れる礼 真琴さんにぴったりです。
2023年6月2日(金)~7月2日(日) 宝塚大劇場
(問)宝塚歌劇インフォメーションセンター
TEL:0570-00-5100
〔特集〕母娘(おやこ)いっしょにもっと元気で、いきいきと
01
高橋美恵子さん×高橋真麻さん(1)02
高橋美恵子さん×高橋真麻さん(2)03
美容家・小林照子さん×小林ひろ美さん(1)04
美容家・小林照子さん×小林ひろ美さん(2)05
美容家・小林照子さん×小林ひろ美さん(3)06
中井美穂さんに伺う「母と娘の“推し活”」07
“推し”を見つける方法&エレガントな「推し活グッズ」
この特集の掲載号
『家庭画報』2023年4月号
撮影/鍋島徳恭 スタイリング/梅山弘子 ヘア&メイク/徳田郁子 取材・文/清水井朋子 撮影協力/ホテルグランバッハ東京銀座 ドレス7万9200円/デパリエ(デパリエ ニュウマン新宿店 TEL:03-6380-5541) ネックレス8万8000円 ピアス12万1000円 リング(薬指)7万8100円 (小指)2万6400円/すべてヒロタカ(ヒロタカ 表参道ヒルズ TEL:03-3478-1830)
『家庭画報』2023年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。