運動によるダイエット効果を期待したいのなら、脂肪を燃焼させる褐色脂肪細胞を刺激する
〔解説してくださるかた〕
大湯リハビリ温泉病院 常務理事 小笠原達記念温泉医学研究所 所長・温泉保養館館長 池田充宏(いけだ・みつひろ)先生筑波大学大学院にて疾病の運動処方の研究を開始、博士号を取得。45万人以上の健康管理に携わり、そのビッグデータの解析から誰もが無理なく取り組める健康管理法を導き出し、多くの企業や自治体を指導してきた。また、国内外のトップアスリートの能力評価、減量、トレーニング、リハビリにもかかわる。おなかまわりの脂肪細胞は刺激しても燃焼しない
やせていても太っていても加齢とともにおなかまわりに脂肪がついてくるのがとても気になります。下腹を引き締めようと腹筋運動に取り組んでも効果が表れず挫折してしまうことも……。
「残念ながら腹筋運動を熱心に行ってもおなかまわりは引き締まらないのです」と池田充宏先生はいいます。なぜならおなかまわりには “エネルギーの貯蔵庫” と呼ばれる白色脂肪細胞が多いからです。
この細胞の働きは、エネルギーをため込むことなので、いくら刺激しても脂肪は燃焼しません。
また、池田先生はおなかまわりに脂肪がつくのは自然の摂理であると指摘します。「おなかまわりには骨がないのに、なぜ内臓が下に落ちないのでしょうか。それは白色脂肪細胞がおなかまわりを中心に存在することで内臓を支えているからです」。
運動だけでおなかまわりを引き締めるのは難しいものの、あえて効果的な運動を挙げるなら「プランク」(うつ伏せの状態で両方の前腕と肘、つま先を床につける。腰を浮かせ、頭からかかとまでが一直線になるように姿勢をキープする運動)だそうです。
「腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋の4種類を刺激し、おなかまわりを引き締める効果があります。また、体幹の安定や姿勢の改善などにも役立ちます」と池田先生はアドバイスします。