揺らぐ心も体も潤う 「ホルモン活性術」で“なんとなく不調”を解決! 後編 女性の体調や気持ちの変化と大きくかかわる「ホルモン」。更年期以降の健やかな毎日のために改めて知っておきたい、全身のホルモンについて、産婦人科専門医の松峯寿美先生に教わります(この記事は、発売中の『からだにいいこと』2023年6月号より一部抜粋・再編集しています)。
前編の記事はこちら>>> 教えてくれたのは
松峯寿美(まつみね・ひさみ)先生産婦人科専門医。東峯婦人クリニック名誉院長。思春期、更年期、老年期の女性に寄り添い、40年以上診察を続けている。著書に『婦人科医が不安と疑問にやさしく答える更年期の処方箋』(ナツメ社)の他多数。ホルモンを味方につければ閉経後に髪が増えることも
更年期以降は、女性ホルモンの分泌量が減り、さまざまな不調が出てきます。でも、その役割をさまざまなホルモンが代わりに担ってくれるそう。
「代表的なのが男性ホルモン『テストステロン』。女性ホルモンを作れなくなっても、卵巣と副腎でテストステロンを作り、酵素の働きで女性ホルモンに変換するしくみがあります。
閉経すると薄毛が改善することがあるのは、この働きのおかげ。閉経も悪いことばかりではないんですよ」
さらに骨や筋肉、唾液などから分泌されるホルモンも、女性の心身をサポートしてくれます。
全身で活躍するホルモンを強化して、更年期以降も快適な毎日を。
更年期以降に強化したい、代表的な6つのホルモン
別名「若返りホルモン」。歯の再石灰化を助けるほか、消化の促進や、皮膚の新陳代謝とも関係。唾液中に含まれ、よく噛むことで分泌増。
体を動かすことで、筋肉から分泌。筋肉の活性化に加え、生活習慣病の予防・改善に◎。がんの発生率低下に関わるという研究も。
男性ホルモンの1つ。閉経後に卵巣と副腎で作られ、酵素の働きでエストロゲンに変換。体力や意欲の向上、うつ予防に効果あり。(※「テストステロン」について、次週さらに詳しくご紹介します)
背中をさすってもらう、ペットをなでるなどで心地よさを感じると分泌される「愛情ホルモン」。自律神経のバランスを整え、ストレスも緩和。
女性ホルモンの1つ。月経周期に関わるほか、自律神経のバランスを保ち、脳の働きや感情も調整。分泌量は40代から減り始めます。
骨芽細胞から分泌。骨の形成を助ける以外にも、脂肪をエネルギーに変換、血糖値の上昇を抑制、免疫維持にも役立つなど大活躍。
体を温めるとホルモン分泌UP !
体を温かくすると血液の循環が良くなり、臓器の働き自体が改善。ホルモンを作り出す臓器が元気になることで、分泌する組織も活性化します。
ホルモン補充療法(HRT)という選択肢も
更年期に足りなくなる女性ホルモンを補充する治療法。更年期障害と診断されると健康保険が適用され、薬代は毎月1000円~3000円ほど。つらい場合は、早めに婦人科医に相談してみましょう。
HRTの薬剤は主に以下の4タイプ。
1)飲み薬(錠剤)
効果がおだやかで子宮内膜への影響が少ない。肝臓や胃腸が弱い人には△。
2)塗り薬(ジェル剤)
ジェルまたはクリ一ム状の薬を皮膚に塗る。肝臓や胃腸への影響が少ない。
3)貼り薬(パッチ剤)
パッチを貼り、皮膚から吸収させる。手軽だが、かぶれやすい場合は注意。
4)膣に挿入(膣剤)
膣に薬剤を直接挿入する。膣や外陰部の乾燥、かゆみなどに即効性あり。
『からだにいいこと』2023年6月号
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URL:
https://www.karakoto.com/6月号の試し読みはこちら>>> この記事は、『からだにいいこと』2023年6月号の内容を抜粋・再構成したものです。 監修/松峯寿美 イラスト/徳丸ゆう