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健康

暑いからといってアイスばかりは逆効果? 体の熱を冷ましてくれる食べ物とは

2023.07.04

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連載 おいしい漢方【7月】 国際中医薬膳管理師であり漢方アドバイザーの久保奈穂実さんが、7月を健やかに過ごす養生の知恵と、疲れを癒すおいしい漢方レシピをお届けします。「養生」とは、病気になる前の「未病」の段階で体を整え、病気を未然に防ぐという中医学の考え。今日から無理なく、簡単養生&漢方生活を始めませんか? 読むだけで薬膳漢方の知識が身につく『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』(世界文化社)から一部を抜粋してお届けします。前回記事を読む>>

7月の過ごし方、養生の知恵



文・久保奈穂実(くぼ・なおみ)

夏は体に熱や湿気をため込まないために、適度に汗をかくことが大切です。冷房のきいた室内で過ごしてばかりいると汗をかけません。


最近は猛暑で昼間は暑さがひどいので、涼しさが残る午前中に屋外で少し歩くと、適度に汗をかけます。

入浴もシャワーだけで済ませず、ときどき湯船に浸かってじんわり汗をかきましょう。かき過ぎると、汗と共に気が流れ出て疲れてしまうので、適度にしましょう。

・暑いときはアイスより寒天



暑い~暑い~って、アイスばっかり食べていませんか? アイスには体の熱を冷ます働きはなく、お腹は冷えるのに、体にこもった熱はそのままです。おまけに砂糖も乳脂肪もたっぷりなので、湿をため込み、体は重だるになる一方。

代わりにおすすめしたいのが寒天。寒天は海藻からできていて、体にこもった熱を、スーッと冷ましてくれます。ゼリーは湿をため込むけれど、寒天は排出してくれます。

おすすめレシピは、「ピングレ寒天」。ピンクグレープフルーツも寒性食材なので、常温で食べてもスッキリと熱を取ってくれます。

ピングレ寒天の作り方

【ピングレ寒天】
1. 皮をむきひと口大にしたピンクグレープフルーツを型に入れる。
2. 鍋に水500㏄と粉寒天4gを入れて火にかけ、混ぜながら溶かす。沸騰したら弱火で2分煮る。
3. 砂糖大さじ4、レモン果汁大さじ1を加え、(1)の型に流し入れ冷蔵庫で固める。常温でも固まる。砂糖の代わりにはちみつでもOK。※冷えているときやお腹がゆるいときは控えめに。

・カサカサ唇は胃腸の不調のサイン



唇が年中カサカサで、夏でもリップが手放せないというあなた、胃腸が弱っていませんか?

中医学では、唇は胃腸の変調が現れる場所と考えます。胃腸に負担のかかる甘いもの、揚げもの、辛いもの、夏は特に冷たいもののとりすぎに注意したいですね。

唇はほかの皮膚と違って皮脂腺がないので乾燥しやすい部分。その分、体内の乾燥が進むと早く症状として現れます。サインに気づいたら山いもがおすすめ。すりおろして味噌汁に入れるなど、胃腸に優しい食べ方で、ぷるぷる唇が戻ってきますよ。

・ぽちゃぽちゃ水太りに「とうもろこしのヒゲ茶」



色白で疲れやすく汗っかき。そんなに食べてないのになぜか体重は増えてしまう。それは胃腸が弱くて、余分な水を排出する力が弱いから。そんなぽちゃぽちゃ水太りちゃんは、「とうもろこしのヒゲ茶」で水分補給を。

とうもろこしのヒゲは立派な生薬。その名も「南蛮毛(なんばんげ)」。余分な水分の排出を促し、汗や尿の出過ぎを抑える効果があるので、水太りタイプにぴったりなのです。

胃腸を元気にすることも大事なので、甘いもの、脂っこいもの、味の濃いもの、アルコールは控えめに。

とうもろこしのヒゲ茶の作り方

【とうもろこしのヒゲ茶】
1. とうもろこしのヒゲを捨てずに取っておき、ザルで1~2日乾かしてから3cmの長さに切る。
2. フライパンで茶色くなるまで炒る。
3. (2)をティーポットに入れてお湯を注げば、とうもろこしのヒゲ茶の完成。

・気を使い過ぎていませんか?



疲れがなかなか取れないという人の共通点は、優しい、真面目、頑張り屋さんの3つで、とにかく気を使い過ぎだということ。気を使うというのは、文字通り「気」(エネルギー)を使ってしまうわけですから、疲れてしまうのは当然です。

疲れたときは人に気を使いすぎず、「自分に優しく、自分を大切に」を心がけて、まずは元気の貯金を。余るくらい元気が貯まったら、人に気を使えばいいのです。

元気で笑顔の人に気を使ってもらえたほうが、きっと相手も気持ちいいはず。

『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』

書影『おしい漢方365』1760円(世界文化社)

疲れたとき、なんだか辛いとき、漢方の知識があれば自分で自分を癒すことができます。本書では、SNSで大人気の漢方アドバイザー・久保奈穂実先生(なおみん)が、1日1テーマ、365日、あなたの毎日に寄り添う漢方アドバイスをお届けします。身近な食材でカンタンに作れる「養生レシピ」113点、今すぐ実践できる「セルフケア」のアイデア252点、1日ひとつ読むだけで、季節ごとの不調が整っていきます。

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久保奈穂実(くぼ・なおみ)/なおみん
国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行う。女子美術大学造形科卒業。芸能・音楽活動を行い、ハードな生活で身体のバランスを崩す。漢方薬に助けられた経験から興味を持ち、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。SNSにて発信するやさしい養生知識や、カンタン薬膳レシピが大人気。総フォロワー約9万人(2023年4月現在)。
イラスト/ニシイズミユカ
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