クリアな視界は脳を活性化させる。更年期から気をつけたい目の病気白内障、緑内障、ドライアイ
天野惠子先生静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。加齢だけが原因ではない。クリアな視界を保つ生活を
予防が難しいとされる緑内障は眼科検診による早期発見が最も重要です。一方、白内障やドライアイの発症・進行には加齢以外に環境要因が大きく関係しています。
紫外線を避けることや、コンタクトレンズ、パソコン、スマホの使い方にも注意しましょう。食事・運動・睡眠を整えストレスを軽減するなど生活習慣の改善も、目の健康維持のための基本です。
〔白内障〕の原因と対策
【原因】●加齢
●紫外線
●薬物(副腎皮質ステロイド、向精神薬など)
●糖尿病
●喫煙
●放射線 など
*日本白内障学会HPをもとに編集部で作成【対策】●生活習慣病の予防糖尿病、高血圧・高脂血症・心血管系疾患などの病気を予防する。禁煙
●食生活の改善抗酸化効果の高い野菜や果物を毎日摂取する。AGE(終末糖化産物。老化の原因物質)を多く含む食品(炭酸飲料、揚げ物、スナック類、バターなど)を多く摂らない
●紫外線対策つばの広い帽子や日傘、サングラスを用いる。紫外線カット効果のあるソフトコンタクトレンズを使う
部屋の湿度を適度に保ち、パソコン作業中は適宜休憩を取る、目が疲れたらホットアイマスクや蒸しタオルを目に当てるなどでドライアイの予防を。〔ドライアイ〕の原因と対策
【原因】●パソコンやスマホの長時間使用
●夜型の不規則な生活・運動不足
●空気の乾燥
●加齢
●ストレス
●コンタクトレンズの使用
●薬の副作用
●目の手術後
●内科的疾患(シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群など) など
*ドライアイ研究会HPをもとに編集部で作成【対策】●パソコン・スマホの作業中は――瞬きを意識的に増やす。1時間に15分は休憩を挟み画面から離れる。パソコンの画面の位置を目より下にする(目を大きく見開かなくて済む)
●部屋の中は――加湿器で乾燥を防ぐ、エアコンの風を直接目に当てない
●コンタクトレンズは――使用中に充血や目がゴロゴロするなどの症状が出たら外す。眼鏡と併用して使用時間を短くする
●市販の目薬は――乱用しない。点眼液に含まれる防腐剤や刺激物の副作用がある
加齢などによる目の機能低下“アイフレイル”を知っていますか?
加齢に外的ストレスが加わって生じる視機能の低下をアイフレイルといいます。
衰えが進むと社会的フレイル(外出や社会参加の減少)、身体的フレイル(移動機能の低下)、心理的・認知的フレイル(うつ、認知機能の低下)にもつながり、自立の大きな妨げに。
日本眼科学会、日本眼科医会などからなる日本眼科啓発会議が「目の健康寿命をのばそう」をスローガンに啓発活動を行っています。
50歳を過ぎたら無症状でも年に1回、眼科検診を受けましょう
目の病気は自覚症状が現れにくく、定期的な眼科検診が重要です。50歳を過ぎたら毎年眼科検診を受けましょう。
緑内障、白内障のほか加齢黄斑変性、糖尿病網膜症など重大な病気の多くが検診によって見つかっています。
検診では視力検査、眼圧検査、視野検査、眼底検査(視神経や網膜の状態を診る)、細さいげきとう隙灯顕微鏡検査(眼球の表面、水晶体、硝子体を調べる)などが行われます。
*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:
http://www.nahw.or.jp/hospital-info*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。
公式サイト「女性外来オンライン」:
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