体を温めて不調を整える「冷えを改善する夏の薬膳」 第3回(全9回) 女性の冷えた体に優しくて、心も温まり、家庭のキッチンで作れるおいしい夏の薬膳料理を教えてください──。編集部の“わがままな”要望に、本草研究家の秋山あかねさんと広東料理の大崎 竜料理長が応えてくださいました。漢方的養生の考え方とともに和漢素材をたっぷり使ったレシピをお届けします。
前回の記事はこちら>> 創業190年、老舗「本草閣」の“目利き”が徹底的にこだわる品質。選び抜き、育てた“和漢素材”が要
「本草閣」9代目当主・薬剤師の秋山あかねさん。本草研究家。医学薬学のみならず東洋の深淵を伝える志を持ち、幅広く活躍する。五感で品質を確かめ、検査で安全性を保証
和漢・漢方の「本草閣」は、扱う主な和漢素材の品質に徹底的にこだわり抜いています。
1830(天保元)年創業。名古屋で民間薬・家伝薬の販売をする「本草閣」戦前の店舗。熟練の“目利き”が五感を駆使し、形、質感、匂い、味で品質を振り分ける。国内外の農家と直接契約して無農薬栽培を行い、素材の不使用部分を発酵させ有機肥料として土に戻すなど、栽培が持続可能な環境づくりにも配慮。
長野県(写真)や鹿児島県など国内の農家とも栽培契約をしている。自ら現地に足を運び、五感で品質を確かめ、科学的検査により安全面で合格したものだからこそ自信があると秋山さんはいいます。
農薬飛散のないベトナム高地で循環型栽培を行い女性の就労支援も担う。中国高地のミヤ族の契約農家を訪ねて。野生種型品と有機栽培品を生産。何千年もの歴史の中で培われてきた漢方の知恵と、最高の環境で育て上げた素材は万人の健康に貢献できるはず──このゆるぎない思いが、秋山さんのこだわりの原点です。
市場に滅多に出回らない貴重な和漢素材。最高級高麗人参を何度も蒸して多くの成分を凝縮させた高麗紅人参六年根、20年熟成させた陳皮、樹齢30年の無農薬桂皮の表皮を除き桂芯のみを使用した桂皮、など。1. 白扁豆(はくへんず)
2. 高麗紅人参六年根
3. 桂皮
4. 蓮の実
5. 高麗人参二年根
6. 棗(なつめ)
7. 陳皮20年
8. 竜眼
9. ローズマリー
10. 金時生姜
11. 羅漢果
12. 枳実(きじつ)
13. 枸杞(くこ)
14. 玫瑰花(まいかいか)
15. ハトムギ
〔特集〕体を温めて不調を整える 「冷えを改善する夏の薬膳」 (全9回)
撮影/本誌・西山 航 スタイリング/横瀬多美保 ヘア&メイク/遠藤芹菜 取材・文/浅原須美
『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。