【美の習慣2】産婦人科医・臨床心理士の吉野一枝先生に、更年期を乗り切る方法を伺います。2回目の今回は、更年期を乗り切る過ごし方について教えていただきました。
前回の記事はこちら>>> 家庭人・仕事人として、“頑張りすぎない”技を磨くべし
前回の記事で、更年期は避けては通れないものだということはわかりましたが、現代の女性にとって40代後半から50代前半というのは、仕事もプライベートも、ますます充実してくる時期とも言えますね。その貴重な10年間を、できるだけトラブルなく、気分よく乗り切るためには何を心がければよいのでしょうか。引き続き吉野先生に伺いました。
「まず大事なのは、頑張りすぎないこと。仕事、家事、育児、介護など、何もかも“自分がやらなくては”とか“完璧にこなしたい”と思うのをやめましょう。“女性活躍推進”などにそそのかされてはいけません(笑)。自分が更年期であることを認めて、家族や子供、部下や後輩に任せる、頼る、できないことは断る、というスタイルに変えていく必要があります」。
いい母・いい妻・いい娘であろうとするのをやめて、自分の気持ちや言い分をきちんと伝えていくことも大事だと吉野先生。それが一番難しい!と思う人もいるかもしれませんが、人生100年時代に、この先の長い老年期を生き抜く準備としても、今までのやり方から少しペースダウンするスタイルを身につけるよい機会だと話してくれました。
規則正しい生活と、自分なりのリラックス方法を
さらに日常の過ごし方として、規則正しい生活がやはり大事。「職業によっては思うようにいかない方もいると思いますが、理想的なのは、太陽が昇ったら起きて動き、太陽が沈んだら寝る生活です(笑)。女性ホルモンは睡眠中に分泌されますから、ちゃんと寝ることは必須。夜ちゃんと寝るためには日中しっかりと体を動かす必要がありますし、ストレス解消の意味でも、適度な運動を習慣づけましょう。また自分が心地よくなる手段をもち、1日30分でもいいのでリラックスする時間をもつことも大切。何か趣味をもつとか、音楽を聴いたりカラオケしたりするのもいいでしょう。香りが好きならアロマセラピーもいいと思いますが、ローズの香りを嗅いだからといって女性ホルモンが分泌されたりはしませんのでご注意を(笑)」。
ただし、ストレス発散のためといっても喫煙だけは避けるべき、と吉野先生。「タバコは女性ホルモンを攻撃する存在です。閉経を早め、更年期障害を重くし、肌にも骨にも血管にもリスクでしかありませんから、喫煙されている方は更年期を迎えるのを機に、ぜひ禁煙に取り組んでください」