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専門医に聞く。40歳頃から増える女性泌尿器疾患の症状と治療法〔前編〕

2019.05.24

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知っておきたい! 頼りになる専門外来 治療を続けているのによくならない、今の治療効果に満足していない――。このような悩みを抱える人は少なくありません。こんなときに頼りになるのが「専門外来」です。一般外来ではなかなか受けられない個別性の高い治療が期待できます。今月は「女性泌尿器外来」についてです。 記事一覧はこちら>>

骨盤底筋体操、膀胱訓練、薬物療法、最新手術などを併用し、尿トラブルに悩む女性の笑顔を取り戻す


誰にもいえない尿トラブルは40歳頃から増えていき、中高年女性の3人に1人は尿失禁に悩んでいるというデータもあります。また、超高齢社会が到来し平均寿命が延びる中、尿トラブルに悩まされる期間も長期化しているといいます。女性泌尿器疾患を専門とする女性医師を配置し、恥ずかしさを感じることなく安心して相談できる専門外来をご紹介します。

高澤直子先生

順天堂大学医学部 泌尿器科学 助教

高澤直子(たかざわ・なおこ)先生
2004年順天堂大学医学部卒業。2年間の初期臨床研修の後、06年、同大学泌尿器外科学講座入局。17年、同大学大学院修了。学生時代は産婦人科医を目指していたが、多くの女性が泌尿器疾患で悩んでいるのに、女性の泌尿器科医師が当時いなかったこともあり必要性を感じ泌尿器科を専攻。14年には米国フロリダ州・クリーブランドクリニックフロリダ ウロガイネコロジーにて研修。女性泌尿器外来の担当として尿失禁や骨盤臓器脱を中心に診療に従事。日本泌尿器科学会認定専門医・指導医。

女性泌尿器疾患とは?


泌尿器科に関連する女性特有のQOL疾患(生活の質を著しく低下させる病気)のことを指す。

なかでも発症頻度が高いのが「骨盤底機能障害」といわれるもので、代表的な疾患に腹圧性尿失禁(尿が漏れる)と骨盤臓器脱(膀胱、直腸、子宮などの臓器が下がってきて膣から外に出てくる)がある。

このほか過活動膀胱(急に我慢ができないような尿意が起こる)、間質性膀胱炎(膀胱に尿がたまると下腹部痛が起こり、頻尿や残尿感、排尿後の痛みなどを伴う)なども女性に多い泌尿器疾患である。

女性泌尿器疾患の原因は?


骨盤底機能障害は、妊娠・出産、加齢、女性ホルモンの減少、肥満、慢性的な咳や喘息、便秘など、さまざまな原因により骨盤底筋が弱まることで起こる。

腹圧性尿失禁は産後の女性にもみられるが、一般的に骨盤底機能障害のリスクは加齢とともに高まるので、中高年以降の女性は特に注意したい。

女性泌尿器外来とは?


泌尿器科の専門外来の一つで、女性骨盤底医学に関する専門的な知識と治療技術を修得した泌尿器科医が対応する。

超高齢社会のニーズを受け、都市部のクリニックを中心に同外来を設置する医療機関が少しずつ増えており、女性医師を配置する施設も多い。

こんな悩みは専門外来へ!


●尿漏れに困っているが、何科を受診したらいいのかわからない
●急に尿意を感じ、漏らすこともあるので、外出できない
●尿の出が悪い、排尿の際に痛みがある
●会陰部にピンポン玉のようなものが触れる
●膀胱炎のような症状が長く続いている

次のページで詳細をご説明します。
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