ライフスタイル

90代を現役で活躍する女性たち。心と体の元気の秘訣とは?

2019.08.21

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「生涯現役」で輝く人生を 第1回(全5回) 90代を現役で活躍する女性たちは、なんと生き生きと輝いているのでしょう! 高齢になっても元気に過ごすために医療や栄養の専門家が注目するのが、50代からの「筋肉づくり」。将来の健康を左右する筋肉の重要性と、筋肉のもと、たんぱく質をしっかり摂れる3食の特別献立をご紹介します。

「私の人生は、音楽音楽音楽……。いまだに感動と発見があります」―ピアニスト 室井摩耶子さん(98歳)


室井摩耶子さん

ブラウス2万2000円 スカーフ1万9000円/ともにイーナ イヤリング3万2084円/アビステ 時計、リング/室井さん私物

室井さんの98年の歩み


1921年(大正10年)

東京生まれ。6歳よりピアノを始める

1941年(昭和16年)
東京音楽学校(現・東京藝術大学)を首席で卒業

1945年(昭和20年)
日本交響楽団(現・NHK交響楽団)ソリストとしてデビュー

1956年(昭和31年)
「モーツァルト生誕200年記念祭」の日本代表としてウィーンへ

1960年(昭和35年)
ヨーロッパデビュー。以後、海外を拠点に13か国でリサイタルを重ねる

1964年(昭和39年)
ドイツで出版された『世界150人のピアニスト』に選ばれる

1982年(昭和57年)
日本で真剣勝負をしようと61歳で帰国。精力的に演奏活動を行う

1995年(平成7年)
演奏しながら曲の魅力を語る「トーク・コンサート」を開始

2019年(令和元年)
文化庁長官表彰を受ける。現在は、『月刊ショパン』にてエッセイを連載

ピアノとの対話を積み重ねる日々。
果てしない音楽への情熱がエネルギーに


室井摩耶子さん

「音楽の素晴らしさを世の中に伝えなければ。神様、私にもう少し時間をくれませんか」―室井さん
イヤリング24万6000円/ペルラジオーネ

今だからわかる音の美。音楽に心ときめく日々


「今、バッハに夢中なの。なんて叙情的で美しい音の使い方をするのかしら……。98歳になってやっと気がつくなんて、摩耶子(まやこ)、遅いじゃない!」。室井摩耶子さんはそう自分に怒りながら、新しい発見に心をときめかせています。

39歳でデビューしたヨーロッパで、室井さんはプロフェッショナルの厳しさを目の当たりにします。高名な演奏家が、勉強のためにあえてしばらく“地下に潜る”。数年後に復活したときの演奏の素晴らしさ。

衝撃を受けた室井さんは「私も自分の中に真の芸術家を育てなければ。外国人という立場に甘えてなどいられない」と帰国。61歳の覚悟でした。

室井摩耶子さんの50代の頃

【欧州で盛んに演奏活動を行い、プロの厳しさを知った50代の頃】この直後の61歳で拠点を日本に移し、真の芸術家を目指した。室井さんの頭の中に「定年」という概念は、そのときも今も、これからも存在しない。

やがて音楽は音で書いた詩・戯曲・小説であると気づいた室井さんは、74歳で「トーク・コンサート」を始め、20年以上続けています。

この年だからわかる音楽の素晴らしさを世の中に伝えたいー。高まり続ける音楽への情熱が室井さんを突き動かしています。

「ねぇ、そろそろ聴かない?」。室井さんが待ちかねたかのようにピアノに向かい、バッハの「平均律八番」を弾き始めました。

2019年度文化庁長官表彰を受ける室井摩耶子さん

【長年の功績が認められて、2019年度文化庁長官表彰を受ける】音楽を純粋に追求し続ける人生が栄誉ある賞という形になった。お気に入りのイブニングドレスで表彰式に臨む室井さん(2019年3月)。
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