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【新連載】日本の医療をリードする名病院と病院長 東京女子医科大学病院 病院長 田邉一成先生

2020.01.28

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【連載】日本の医療をリードする名病院と病院長 世界的にみてもハイレベルな日本の医療技術を支え、発展させてきたのが「高度医療機関」といわれる大病院です。新連載では、日本の医療をリードする「名病院」の病院長に診療の特徴や方針について語っていただきます。第1回は、112年にわたり患者を慈しむ心を持ち、高い医療技術を提供し続けてきた東京女子医科大学病院です。

第1回
「至誠と愛」を基本に最先端医療に取り組む
東京女子医科大学病院 病院長
田邉一成 先生


東京女子医科大学病院 病院長 田邉一成先生東京女子医科大学病院 病院長 泌尿器科教授・講座主任 腎臓病総合医療センター 診療部長
田邉一成先生(たなべ・かずなり)

1956年、福岡県生まれ。82年、九州大学医学部卒業。84年、東京女子医科大学腎臓総合医療部門に入局。戸田中央総合病院泌尿器科部長、米国クリーブランド・クリニック泌尿器科リサーチフェローなどを経て、2006年に東京女子医科大学泌尿器科教授に就任。15年に同大学病院病院長に就任すると持ち前の行動力でさまざまな病院改革に取り組んできた。臨床では腎臓移植、泌尿器ロボット支援手術の第一人者としても知られる。


〔創立者「吉岡彌生」の思いを受け継ぐ〕産婦人科医の吉岡彌生は女性が活躍できる社会の実現を目指して東京女医学校を設立した。

泌尿器がんを手始めにロボット支援手術の適用を拡大中


東京女子医科大学病院は、1908年の開院以来、「至誠と愛(誠実な慈しむ心)」という基本理念のもと、医療を提供し続けてきました。

1950~70年代には心臓血管外科、消化器外科、脳神経外科の手術では全国をリードする存在となり、日本で最初に心臓血管手術を行った榊原 仟(しげる)先生、食道がんをはじめ消化器外科分野の手術法を開発した中山恒明(こうめい)先生など近代医学史にその名を刻む名医たちが活躍し、全国から患者が集まる病院へと発展しました。

この最先端医療に挑戦するという伝統は、現代にも受け継がれ、近年はロボット支援手術に積極的に取り組んでいます。特に病院長の田邉一成先生が教授・講座主任を務める泌尿器科では2011年に他科に先駆けて手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入。

「腹腔鏡手術とロボット機能の長所を併せ持つダヴィンチ手術は、傷口が小さく出血量も抑えられるため、患者さんの身体的負担を軽減します。また、広い視野を確保した繊細かつ正確な手術が可能となり、合併症や後遺症のリスクを減らし、治療成績の向上にも貢献しています」。

現在、泌尿器科分野でダヴィンチ手術の対象となる疾患は前立腺がん、腎臓がん、膀胱がんで、熟練した医師団により前立腺がんのほぼ100%、腎臓がんの75%は、この術法で行われています。

〔最先端機器で「難易度の高い手術」に挑む〕ダヴィンチ手術による腎臓がん部分切除術は難易度が高いが、腎臓移植などで培った高度な技術を基盤に他院に先駆けて本格導入した。写真提供/東京女子医科大学病院

2018年4月にはダヴィンチの最新機種を導入し、3台体制に。こうした整備により手術までの待機期間も4~6週間程度に短縮され他院に比べて短いのが特徴です。

2019年11月現在、累計手術件数は1625例になりました。また、胃がん、肺がん、子宮筋腫などの疾病でもダヴィンチ手術が始まっています。
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