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カギを握るのは「グロースホルモン」。専門家に聞く、良質の睡眠を得るための9か条

2020.11.06

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短期集中連載「WITH更年期」第2回 質のよい睡眠はメンタルを安定させ、アンチエイジングにも効果的だといいます。カギを握るのは、寝入り後に分泌されるグロースホルモン。スムーズな入眠のコツを身につけ、若々しい心と体を保ちましょう。前回の記事はこちら>>

ぐっすり眠ってアンチエイジング
良質の睡眠で、心の安定と 若々しい体を保つ


西野精治先生

スタンフォード大学 医学部精神科教授
西野精治(にしの・せいじ)先生


1980年代より過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に取り組み、2000年に主たる発生機序を突き止める。05年よりスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所 所長。近著に『睡眠障害』(KADOKAWA)

寝不足は、体だけでなく脳や心にもダメージを与える


若々しく健康であり続けるためには、メンタルが安定していることも重要です。不眠になると、うつ病や不安障害などの発症率が高まることがわかっており(下の図参照)、睡眠はメンタルのコントロールに大きな影響力を持ちます。

不眠のデータ

米国の21~30歳の男女1200人を対象にした調査では、不眠の人のほうがうつ病や不安障害などを多く発症していた。特にうつ病では顕著。 Breslau N et al.Biol Psychiatry1996;39(6):411-418,より改変

世界最先端の睡眠研究を行うスタンフォード大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治先生は、睡眠の働きについて次のように説明します。

「睡眠中の脳と体の中では、目覚めたときにベストな状態となるよう、自律神経や脳内化学物質、ホルモンが休みなく働いています。つまり睡眠の質を徹底的に高めることによって最強の覚醒パフォーマンスを生み出せるのです。トップアスリートなど成果を出す人は睡眠の質を大切にしています」。

西野先生によると、質のよい睡眠がとれないとホルモンバランスを崩し、肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病を発症するリスクが高まるといいます。

また、免疫力が低下し、感染症やがんなどにかかりやすくなったり、脳の老廃物を捨てられず、認知症の引き金になったりする可能性もあります。

「特に短時間睡眠が危険です。4時間程度の睡眠でも健康を維持できるショートスリーパーがいますが、それは遺伝的素因によることが多いです。大半の人はこの遺伝子を持っていないので、6時間は寝たいもの。睡眠負債は脳にも体にもダメージを与えます」
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