365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
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ゲストの一覧 【お悩み】おうち美容で注意すべきことは?
おうち時間を利用して、普段以上にスキンケアなど美容に力を入れています。セルフケアを行う際のアドバイスはありますか?
【回答】セルフケアの注意点は「こすらない」。UVケアも忘れずに
「市販の化粧品で行うセルフケアでは、使用法・使用量を守ることと皮膚をこすらないことが大前提です」と美容皮膚科医の小柳衣吏子先生。
肌のためを思うなら、まず、摩擦を避けましょう顔を洗う、タオルで水分をふきとる、化粧水やクリームを塗る……「日々のスキンケアは、摩擦を起こさぬよう、優しく、丁寧に行いましょう」(小柳先生)。
これは、マッサージや、美容家電でお手入れを楽しむときも同様。効果を求めるあまり、つい力が入ったり、長時間になってしまったり。よかれと思ってやったことが、肌に負担を与えてしまったら、元も子もありません。
どんなお手入れも、適切な量を用いて、適切な方法で行い、その際は「皮膚をこすらない」と心得て。
美容の基本の「学び直し」もおすすめです「おうち時間を利用して、美容の基本や、皮膚生理について学び直すのもおすすめです」と小柳先生。
「私は、診察時に、皮膚の模式図や病理の写真を用いて治療の説明をしています。皮膚の構造を確認しながら、“この治療は、この部分に働きかける”とイメージするほうが、効果が高まると考えているからです。
また、美容に関心があるなら、“皮膚そのもの”を知っておいて損はありません。例えば、肌のターンオーバー(生まれ変わり)は、20歳ぐらいなら1か月、中年になると2か月ぐらいかかります。そんな加齢変化を認識した上で、外用薬や化粧品を使うほうが、正しいジャッジができるのではないでしょうか」(小柳先生)
マスクをしているからこそ、UVケアを念入りに顔の上半分、つまりマスクで覆われていない部分だけが日焼けする“マスク焼け”なる言葉も見聞きしますが、「そもそも、マスクが紫外線をカットしてくれると期待してはいけません」と小柳先生。
「紫外線は、一般的な不織布のマスクを透過しますし、日焼け止めを塗っても、マスクでこすれて落ちてしまいます」(小柳先生)
クリニックで調べたところ、朝、しっかりと塗ったはずの日焼け止めも、4〜5時間後、マスクの中で蒸れるなどして、擦れる部分ではすっかり落ちてしまっていたとのこと。
紫外線が引き起こす光老化(ひかりろうか)を阻止せぬ限り、どんなにスキンケアをしても、美肌は遠のいてしまいます。日焼け止めは、まめに塗り直すのが得策です。
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小柳衣吏子/Eriko Koyanagi
東京・六本木の美容皮膚科「アオハルクリニック」院長。1998年順天堂大学医学部卒業。同大学病院勤務を経て、2011年アオハル クリニック院長に就任。同クリニックのコンセプトは「ウェルエイジング=よりよく年齢を重ねる」。その実践とともに、皮膚科のみならず様々な領域に関心を寄せて研鑚を積む。順天堂大学医学部 皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医。
アオハルクリニック:
https://aohalclinic.jp/