365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
記事一覧/
ゲストの一覧 【お悩み】初の美容皮膚科、メニューが豊富で迷ってしまいます
オンライン会議などで、自分の顔に向き合うこと数か月。美容医療を受けたいのですが、診療項目が多く、戸惑ってしまいます。まずは、最新の治療を試すべきでしょうか?
【回答】安全性と効果が認められた治療法を選択肢に
美容医療を提供するクリニックのホームページを見ると、見慣れない診療名と料金表が渾然一体となっていて、面食らってしまったことはありませんか?ここでは、まず美容医療の大枠を復習しましょう。
まず、美容医療の大枠をおさらい美容に関する医療には、大きく「美容外科(形成・整形)」と「美容皮膚科」があり、前者は外科治療(手術)を伴う医療を、後者は一般皮膚科の知識に基づいたうえで、美容に特化した皮膚の治療を提供します。
いずれも自由診療で、価格が表示されているのは、そのためです(一般皮膚科は、皮膚疾患の治療を目的とし、健康保険が適用されます)。
今回は、美容皮膚科のイロハについて、「アオハルクリニック」院長の美容皮膚科医・小柳衣吏子先生に伺いました。
「診療科として美容皮膚科を標榜できるようになって14年。その間、技術や機器が向上し、知見も蓄えられて、関連学会も充実してきました。同時に、治療の安全性と効果が評価されて様々なガイドラインが設けられ、エビデンスに基づく医療が行われています」(小柳先生)
最新の治療法=ベストの治療法とは限らないさて、多くの治療法が紹介されていると、つい新しいものに目が向きがちですが、美容皮膚科は医療。まず、医師による診察があり、現状をどうしたいのか、費用も考慮しながら、治療方針を検討していきます。
ですから、「最新の治療法が最適な治療法とは限らない」のです。治療は、肌の状態や、症状に合わせて選ぶことが大前提です。
「皆さんがよくご存じのレーザーは1980年代から、フォトフェイシャル(光治療)は1990年代後半からと、美容皮膚科が立ちあがる前から導入されています。機器も改良され続けていますが、長く使われることで“使い方”も工夫され、新たな治療法が開発されることも。
一例を挙げると、シミを薄くする・肌質を整える・赤みにアプローチするといった効果で知られるフォトフェイシャルのドライアイ治療です。ドライアイに対するフォトフェイシャルの改善効果は、既に海外の学会では大きな注目を集めています」(小柳先生)
美容皮膚科は、皮膚の美しさを追求することでQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高めていく「2021年が始まりましたが、今のところ、画期的な治療法のニュースは聞こえてきません。それでも、安全性と効果が確認された治療法は既に豊富にあり、それらを駆使して美肌を目指すことは十分に可能」と小柳先生。
「皮膚には、他者とコミュニケーションを取る際のスクリーンという役割があります。そして、自分の目で見て判断できるため、その状態が良好なら自信が生まれ、意欲もわきます。不調であれば逆の影響が表れる一方で、自分自身を案じてケアするきっかけにも。私は常に、皮膚はからだの鏡とお伝えしています」(小柳先生)
コロナ禍で、何かと気分がふさぐこともある今。肌という資産に投資をして、前向きに、アクティブに!
小柳衣吏子/Eriko Koyanagi
東京・六本木の美容皮膚科「アオハルクリニック」院長。1998年順天堂大学医学部卒業。同大学病院勤務を経て、2011年アオハル クリニック院長に就任。同クリニックのコンセプトは「ウェルエイジング=よりよく年齢を重ねる」。その実践とともに、皮膚科のみならず様々な領域に関心を寄せて研鑚を積む。順天堂大学医学部 皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医。アオハルクリニック:
https://aohalclinic.jp/ ※小柳先生のお名前の「柳」の字の正しい表記は、木偏に夘です。 イラスト/umao 取材・文/佐野有子
質問・お悩みを募集中!・・・読者の皆さんからのお悩みや質問を募集しています。
こちらのフォームからお気軽にお寄せください。