端午の節句
菖蒲の芳香が漂う一日
絵・文=鮫島純子(エッセイスト)
端午(たんご)は月初めの午(うま)の日を指し、平安時代以降、午(ご)と音が同じ五月五日を端午の節句というようになりました。
江戸時代には武を重んじる尚武(しょうぶ)にかけて“菖蒲(しょうぶ)の節句”ともいい、跡継ぎの男児が無事成長し、一族が繁栄するように祈る祝いの日となったそうです。
爽やかな香りが邪気を祓うとされる菖蒲を軒に下げ、お風呂に入れる風習も今に伝えられています。
一方、鯉のぼりは江戸時代の町人社会で生まれた節句飾り。
鯉が滝を登ると竜になるという中国の故事〔登竜門(とうりゅうもん)の由来〕にちなみ、困難を乗り越え、たくましく育ってほしいと、親は願いを込めて飾ります。
『家庭画報』2021年5月号掲載。
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