書・文=中村桂子(生命誌研究者)
人間は両親があって生まれてくるものであり、たった一人で存在することはできません。
友人をたどっていくと、六段階で世界中の人とつながるという実験をご存じですか。世界は意外に小さいのです。
「私」という個は大切にしなければなりませんが、いつも「私たち」の中にいるという感覚も大事です。
新型コロナウイルスのせいで、会いたい人にもなかなか会えない辛い状況ですが、心でつながりながら、私は一人ではないという気持ちで世界中の人を「私たち」と思いませんか。
他の生きものたちも、実は「私たち」なのです。
『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。