夏越しの祓
茅の輪をくぐり、心身を清める
絵・文=鮫島純子(エッセイスト)
6月30日に行われる“夏越しの祓(なごしのはらえ)”は、半年に一度の神事、大祓の一つ。大晦日の年越しの祓と同様に、神社には大きな茅(ちがや)の輪が据えられます。
参拝者は『祓いたまえ、清めたまえ』などと唱えながらこの輪をくぐり、半年の間に心身に溜まった穢れを落として、残り半年の無病息災を祈願します。
これは旅の途中に宿を求めた素戔嗚尊(すさのおのみこと)を、貧しい民が厚くもてなし、言われた通りに茅を腰につけていたら疫病を免れたという故事に由来しているとか。
無限大の記号∞を描くように輪をくぐると、心身がすっと正される、厳(おごそ)かな初夏の風物詩です。
『家庭画報』2021年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。