書・文=コシノジュンコ(デザイナー)
遊びって、ひとつの余裕ですよね。きちんと完璧というのは、遊びがなくて苦しい。仕事ばかりでなく、ちょっと横をみてみるとか。小さな余白、余裕があることで、全体がうまくまとまる。車のハンドルにも遊びがあるでしょう(笑)。
そして、センスは感覚的なものですよね。センスがあるとなんでもできちゃう。遊びの余裕がある人は、センスがいいということです。
私は対談やラジオでも事前に調べて準備はしますが、当日は自由な発想で話します。そうすると面白いことが起こる。何も知らない無知な人ではなくて、知っている上で、それを忘れて、真っ新(さら)な気持ちで、目の前の今を楽しむ。
そんな余裕、ちょっとした遊びのセンスが、明日につながるの。遊び心があれば、いつ何があっても対応できるものなんです。
撮影/本誌・大見謝星斗
『家庭画報』2022年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。