春の陽光のように、全ての人に平らかな慈しみの目を向けてみる
文/川野泰周(林香寺住職・精神科医)鮮やかに咲き誇る花に、ひっそりとたたずむ花。長く伸びた枝に、短く折れた枝。
春の野山に揺れる色とりどりの草花のように、この世を生きる人々もまた様々なれど、やわらかな陽射しは誰にも等しく降り注ぎます。
しかし時として、私たち人間の心には異質なものを遠ざける考えが、知らず知らずのうちに生まれます。
国籍や肌の色、性別や生まれ育った環境は人それぞれ。「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」と呼ばれる心の色眼鏡を、どうしたら外すことができるでしょうか。
今日一日、まずは一番身近な人へ「ありがとう」と伝えてみませんか。
心の窓を開くとき、きっとそこに大切な人たちが、笑顔で待っています。
『家庭画報』2020年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。