我が心の声に耳を傾けることが、真の安心(あんじん)への近道となる
文/川野泰周(林香寺住職・精神科医)中国で禅を学び、日本に曹洞宗を興した鎌倉時代の僧・道元禅師は、坐禅の心構えについてこのような言葉を残しています。
「坐禅をしていて雑念が湧いたらそのことに気づきなさい。そうすればそれは消えてゆくから」と。
坐禅をしていると、雑念を消そう消そうと頑張るほど、それに支配されてしまいます。
日々の心の在り方もまた同じ。忘れたい記憶、消えてほしい悩みばかりが思い出されるもの。
思い切ってそんな自分を、そんな考えを、許してあげましょう。
それも仕方ないさ。「にんげんだもの」。そう、相田みつをさんの言う通り。
『家庭画報』2020年5月号掲載。
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