己を見れば、世界が見える
文/川野泰周(林香寺住職・精神科医)禅寺の玄関にはよく、「照顧脚下」と書かれた板が置かれています。
「足もとをきれいに、履き物を揃えて上がりましょう」という和尚さんからのお願いですが、もっと深い本当のメッセージも。
日々テレビでもインターネットでも、心をかき乱すかのように、情報の嵐が吹き荒れています。そんなときこそ、足もとを見つめて下さい。そしてしっかりと、地面を踏みしめていることを感じるのです。
心に迷いがあるときこそ、いま自らにできることを一つ、心を込めてやってみて下さい。足もとに転がる「幸せのかけら」を見つけるために。
『家庭画報』2020年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。