懐かしい「昭和遺産」を訪ねて
草花遊びから季節を感じたあの頃──
昭和の子どもは遊びの天才。お金をかけずに工夫して遊びました。
アザミの花籠アザミの花はそれ自体が花籠のような形状をしている。これに草木の細い茎や枝を挿して取っ手をつけ、彩りよく季節の小さな野の花をあしらえば、可愛らしい花籠ができ上がる。
カボチャの虫籠大切な虫を住まわせる、餌を与えなくていい虫籠。カボチャの片側を切り、中の種をかき出し、竹ひごで格子をつけるだけ。スイカやナスなどでも同様に作れる。
目はじき遊び弾力のある小枝の端の一方を口にくわえ、湾曲させてもう一方の端を上まぶたに引っかける。この状態でにらめっこをする。我慢できずに口を開けて笑ったとたん小枝がはじけ飛ぶ。ひ弱な現代っ子には危なくてさせられない遊び。
竹の水鉄砲竹の幹の空洞部分を使う。一方の端に節を1つ残しておき、キリで水が噴き出す穴を開ける。水を押し出す柄は筒よりも長めに切り、握る部分を作る。飛距離を競い合い遊ぶ。
スイカのお面半分に割ったスイカの実を、スプーンなどできれいにかき出し、ナイフで目、鼻、口の形にくりぬき顔を作る。大ぶりの実は、子どもの小さな顔にぴったりの大きさ。
ソラマメ人形マッチ棒をソラマメの実に刺し、胴体となる莢さやの左右に差し込み、マッチ棒に糸を結びつけて下へ垂らす。糸を引っ張れば腕が持ち上がり、緩めれば豆の重みで自然に下がる仕組み。
ヤツデの帽子ヤツデの葉を2枚重ね合わせ、重なった部分を竹ひごで縫うように留める。頭の形に沿うように、竹ひごは平らに作るのがコツ。サトイモやハスなどの葉でも代用できる。
葉っぱの仮面顔がすっぽり隠れてしまうほどの大きい葉っぱを見つけたら、目鼻の場所に穴を開ける。お化けにだってヒーローにだって、あっという間に変身できる。
笹舟大きめの笹の葉の両端を折り曲げる。それぞれ2か所ずつ切り込みを入れ、端にできた輪を組み合わせる。そのままでもよいが、摘んだ花などをのせて、川に流して競争する。
吹き上げ玉竹の先端部分をラッパ状に割り広げ、玉をのせて吹き上げて楽しむ。昔は草木の実などを玉にした。強く吹きすぎると玉が飛び出してしまい、弱すぎると上がらない。
ナスの堤灯ナスの皮だけを残して中をくりぬき、下から短い釘や画鋲を刺してローソクがしっかりと立てられるようにする。ヘタの部分を糸で縛り、持ち手にする木の枝をくくりつけてもよい。
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