今こそ、教養として知っておきたい アートという資産 第6回(全7回)今、日本では空前の現代アートブーム。投資を目的に購入する人も増えています。現代アートは本当に資産となりうるのでしょうか。そのためのノウハウを著名なコレクターやギャラリスト、オークションハウス、投資家など専門家に教えていただきました。
前回の記事はこちら>> ※以下は取材当時の情報です。営業時間など最新の情報は公式ホームページ等でご確認ください。 多様で身近になった現代アートの購入先
アート市場の盛り上がりに合わせて、購入場所の裾野も広がっています。基本から新潮流まで、資産となる名品に出合える場所をご紹介します。
初心者も安心して買える環境に
アートの購入場所には、大きく分けると新作を扱う“プライマリー”と第二市場の“セカンダリー”があります。プライマリーはギャラリーが主流で、セカンダリーには、オークションとセカンダリー専門のギャラリーもあります。ギャラリーによっては、両方の市場で販売、展開するところもあります。
1.ギャラリーで買う
プライマリーでの購入を考えるなら、専門家たちが声を揃えて言うとおり「海外に積極的にアピールしているギャラリー」がよいでしょう。
さらに、優良なギャラリー47軒が加盟する「CADAN(日本現代美術商協会)」が、2020年夏に東京・有楽町に開いたリアルスペースは、立地の良さも手伝って好評です。
「3週間ごとに加盟しているギャラリーが入れ替わり、展覧会を行います。ギャラリーごとの個性や多彩なアーティストの表現に触れることができます」とCADAN事務局の高村美和さん。
日本現代美術商協会の新たな拠点
CADAN有楽町CADAN Showcase 03 展示風景(2020)Photo:Osamu Sakamoto丸の内仲通りに面した繁華な地にあるため、アートファンはもちろん現代アートに触れる機会がなかった人たちも気軽に訪問できる。CADANは文化庁への提言や寺田倉庫、新宿伊勢丹メンズ館などの企業と協働して大型の展覧会や専門家を招いた勉強会も開催。11月に開催予定の京都のアートフェアもその一つだ。
東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル1階
TEL:070(6464)1438
営業時間:11時〜19時(土曜・日曜・祝日〜17時)
休廊日:月曜(祝日の場合は営業、翌火曜休み)
2.アートフェアで買う
海外のアートフェアもコレクターが必ず足を運ぶ場所。コロナ禍で開催は不確定ですが、「代わりに海外のメガギャラリーやアートフェアのオンライン・ビューイングルームの開発が進み、SNSを通じてアートを購入する人も増えました。また、11月には京都で、私どもも実行委員会に入っている新たなアートフェアを開催予定です」。
コレクター必見の世界のアートフェアTokyo Gallery+BTAP, installation view at Art Basel Hong Kong 2019スイスのアート・バーゼルや、ロンドンのフリーズなど、海外の著名なアートフェアには厳選されたギャラリーが出展し、名だたるコレクターたちが足を運ぶ。日本から行きやすいのは、アジア最大級のアート・バーゼル香港(写真)。現在、コロナ禍で開催は未定だが、オンライン・ビューイングルームの開設が増えアクセスが可能に。日本では、3月に東京でアートフェアが開催され、秋には京都のフェアも開催予定。