東京2020オリンピックのゴルフ女子日本代表コーチに任命されたのは昨年6月のことでした。初めは「私でいいのか?」という気持ちもありましたが、ヘッドコーチの丸山(茂樹)さんもいらっしゃるし、以前から、できることがあればゴルフ界に協力したいという気持ちはあったので、お受けすることにしました。オリンピックのコーチという立場は、直接指導というより、スポークスマン的立場で、選手がプレイしやすい環境作りをしていくこと。私は、若い頃にアメリカ留学で苦労をしたり、意図せずプロゴルファーになったりと、ある意味ユニークな人生を送ってきました。そんな経験を少しでも生かせるように頑張りたいと思っています。
2019年6月に開かれた日本代表女子コーチ就任記者会見にて丸山ヘッドコーチとがっちり握手。写真/日刊スポーツ/アフロさて、いきなり専門的な堅苦しいお仕事の話をする前に、少し私自身についてお話ししようと思います。もしかしたら、そんな話ばかりになってしまうかもしれませんが、ゴルフのオリンピックコーチがどんな人間なのか知っていただいて、少しでもゴルフに興味を持っていただけたら、ひとさまの前で恥をさらす甲斐もあるというものです。
これまで、いろいろ失敗をしてきました。初めて全米女子オープンに出たときは、スタートしてすぐ2番ホールで前の組が見えなくなって、急ごうとしたら間違えて隣のホールに打ちそうになってキャディに止められたとか。東海岸の試合では、空港から遠くて時差もあったので、疲れてホテルでお風呂に入ったら、湯船も浅かったのでそのまま寝てしまって下の階を水浸しにして、ポリスマンや階下の人が10人くらい、私がなにも着ていない状態で入ってきて、ペナルティを350ドル取られたとか。でも、失敗もいまにして思うと、どれもよい思い出です。
16歳(1984年)、全米女子アマ選手権にて優勝したときの服部道子さん。世間からの注目が一気に集まり、大きく人生が変わりはじめていったとのこと。