《ルーツ》2014年 作=ジャウメ・プレンサ サイズ=高さ10×幅5.5×奥行き6.5メートル 素材=ステンレススチール、塗装 所蔵=森ビル選・文/住谷晃一郎(美術評論家)「虎ノ門ヒルズ」のオーバル広場に高さ約10メートル、巨大な大仏像のようなものが鎮座している。
作品名は《ルーツ》。日本語、中国語、アラビア語など8つの言語の文字を使い、膝をかかえて座る人の形であるが、文字を透かして周囲の東京の風景が見えるので、透明人間のようでもある。
制作したのは、スペイン・バルセロナ生まれのアーティスト、ジャウメ・プレンサ。
熱帯雨林の木の根が地上に出てきて、枝や幹を包み込む様子にインスピレーションを得て、文字でできた人の体の形になったという。
「私は静寂や平穏、ピースフルな状況をつくりだすことに興味があります。私は人々が休める場所を提供したいのです」と作者は語っている。
場所/虎ノ門ヒルズ オーバル広場 撮影/本誌・武蔵俊介
『家庭画報』2020年11月号掲載。
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