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ピカソが愛した女性をモチーフにした花瓶。PABLO PICASSO,Tripod Vase with Head of Woman,1951,A.R.125 Ⓒ2020-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN)東京・南青山に、洋菓子ブランド「ヨックモック」が収集したピカソの陶器作品を間近に見られる、小さな美術館が開館しました。
ピカソ関連の書籍が閲覧できるライブラリースペース(美術館またはカフェの利用必須)。併設のカフェでいただけるミニャルディーズセット1100円。写真は爽やかなレモンとヌガーの香ばしさが絶妙な「ヴァローリス」。1946年、ピカソは南仏の小さな陶芸の町・ヴァローリスを訪ね、そこで工房を構える陶芸家のラミエ夫妻と出会ったことをきっかけに陶芸制作を始めます。
作品には愛らしい顔を描いた皿が多くみられる。PABLO PICASSO,Vallauris,1956,A.R.331 Ⓒ2020-Succession Pablo Picasso-BCF(JAPAN)晩年にかけて数千点もの作品が制作されましたが、ヨックモックは世界でも有数のコレクターとして、500点以上所蔵しています。
館内には100点近い作品が展示され、2階展示室の壁面には植物や動物をはじめ、ピカソが好んで観戦した闘牛などが描かれた54点もの皿が並べられています。
南仏の空気感漂う2階展示室。地下1階の展示室ではケース越しではなく直に見られる作品もあり、その一点一点が放つ明るい色彩と大胆な筆致は訪れる人を圧倒します。
建物の設計は、隈研吾建築都市設計事務所から独立した建築家、栗田祥弘氏。「市中の山居」を思わせる光溢れた空間が迎えてくれます。
都会の喧騒から離れた、静かな住宅街に佇む。 Information
ヨックモックミュージアム
東京都港区南青山6-15-1
『家庭画報』2021年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。