365日美と健康のお悩み相談室 毎日更新の美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
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ゲストの回答 【お悩み】ヨーグルトさえ食べていれば腸は健康?
発酵食品が腸を整えると知り、毎日ヨーグルトを食べていますが、イマイチ効果があるのかわかりません。
【回答】あなた自身に適したヨーグルトを探しましょう
もちろんヨーグルトは健康な腸のために効果的ではありますが、ヨーグルトさえ食べていればいい、というわけではないといいます。
感染免疫学者で医学博士である藤田紘一郎先生の著書『腸で変わる! 病気にならない、50代からの生活習慣』より紹介します。
“ヨーグルトさえ食べていれば、腸内フローラは整う”わけではないヨーグルトは善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす食べ物の代表格です。また、最近では“花粉症の症状を減らす”“ピロリ菌を減少させる”“プリン体に効果的”など機能性ヨーグルトも増え、再び注目されています。しかしここで一つ、ご理解いただきたいことは、“ヨーグルトさえ食べていれば、腸内フローラは整う”わけではないということです。
乳酸菌にはビフィズス菌、ブルガリア菌、カゼイ菌などさまざまな種類があり、その多くは胃酸に弱く、9割近くは腸に届かずに死んでしまいます。
最近は“菌が生きたまま届く”というヨーグルトが続々と登場し、腸にダイレクトに効果的と思われがちですが、その菌が元々あなたの腸に棲んでいなければ、たとえ生きた菌が腸に届いても生き残れずに、腸から排除されてしまいます。
これを“通過菌”と呼びます。反対に腸に棲んでいる菌は“定着菌”といいます。
“通過菌”か“マイ乳酸菌”かを特定する方法人によって腸内細菌は千差万別であり、自分に合った乳酸菌があります。大切なのはこのような“マイ乳酸菌”を増やすことなのです。
今、食べているヨーグルトが“通過菌”か、定着する“マイ乳酸菌”かを特定するには一つのヨーグルトを2週間程度、食べ続けてみることです。実行してみて自分に合っていないように感じれば一種類にこだわらず、さまざまなヨーグルトを試してみるといいでしょう。
“便通がよくなった”、“肌の調子がよくなった”など改善があれば、あなた自身に適していることになり、あなたの腸に有益な働きをする菌であると考えてよいでしょう。これは“プロバイオティクス”という健康法です。
自分に合ったヨーグルトをはじめ、食物繊維や発酵食品(味噌、納豆)を毎日、食べ続ける“継続”が重要です。
藤田紘一郎/Koichiro Fujita
東京医科歯科大学名誉教授。感染免疫学者。医学博士。1939年旧満州生まれ、三重県育ち。東京医科歯科大学医学部卒業。東京大学医学系大学院修了。金沢医科大学教授、長崎大学医学部教授、東京医科歯科大学大学院教授を歴任。
イラスト/umao 編集協力/山岸美夕紀
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