大人のダイエット 第2回(全12回) ダイエットといえば食事を制限し、体重を減らすことばかりに気を取られていませんか。若い頃に比べて太りやすくなったのは年に1パーセントずつ筋肉が減少し、基礎代謝が低下しているからです。つまり、大人のダイエットを成功させるためには筋肉の量を維持または増やすことが重要です。それは確実に、美しい体をつくることにも、健康寿命を延ばすことにもつながります。
前回の記事はこちら>> 大人のダイエットのカギを握るのは「筋肉」
若い頃と変わらない食事や生活を続けているのに体重が増えるのは基礎代謝が低下しているからです。消費エネルギー量が少なくなれば、その分だけ太ります。
基礎代謝の中で最も消費量が多いのは筋肉です。筋肉が減ると基礎代謝はさらに低下し体重増加に拍車がかかります。
一方、筋肉を増やせば基礎代謝は高まり太りにくくなります。つまり、ダイエットのカギを握るのは体重ではなく、筋肉であることがわかります。
「筋力トレーニング」「有酸素運動」「食事コントロール」の三位一体で初めて成功する!
筋肉を増やすために最も確実な方法は筋力トレーニングです。そして、筋肉のエネルギー消費量を高めるには有酸素運動が必要です。また、筋肉の原料となるたんぱく質の摂取をはじめ、食事コントロールも欠かせません。
加齢とともに筋肉が減ってくる大人のダイエットは、この三位一体を実践して初めて成功するのです。
ダイエットにおける3要素の役割と効果
●筋力トレーニング速筋に働きかける無酸素運動は筋肉を維持したり増やしたりする効果がある。筋力トレーニングが最も取り組みやすい、スクワットを中心に下半身の筋肉を鍛えるのが効率的。
●有酸素運動有酸素運動では筋肉量を増やすことはできないが、筋肉まわりの毛細血管を増やし、筋肉のエネルギー消費量を高めてくれる。また、脂肪を燃焼させるので減量効果も高い。
●食事コントロール筋肉を増やすうえで原料となるたんぱく質の摂取は欠かせない。また、筋肉を合成する過程では微量栄養素も必要となるためバランスのよい食事をとることが重要だ。
コロナ禍の今だからこそ適度な運動に取り組み免疫力を高めましょう
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、外出の自粛を強いられる中、免疫力の低下をはじめ心身の健康二次被害が問題になっています。
感染予防の基本を徹底するとともに“コロナに負けない体づくり”を日頃から行っていくことが大切です。
感染のリスクと身体活動量の関係身体活動量(運動量)が適度な場合が最も免疫力を高めて感染リスクを低下させる。出典:Nieman MISSE 1994この体づくりにおいても筋トレや有酸素運動が有効であることがわかっています。
その一つに免疫力を高める効果がありますが、医学研究によると運動量は多すぎても少なすぎても期待される効果は得られないようです(グラフ参照)。
有酸素運動は1日8000歩以上、筋トレはスクワット10回×3セットを週3回、をまず目標にして適度な運動に取り組んでみましょう。
撮影/藤本康介(静物) スタイリング/高橋尚美(静物)取材・文/渡辺千鶴
『家庭画報』2021年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。