季節ごとに肌悩みがあるように、髪や頭皮にもその時季ならではのトラブルがあります。
それは年齢を重ねるに従ってますます大きな悩みの種に。けれどそんな髪と頭皮の悩みが、ドライヤーでも解消できるということは、意外と知られていません。
ケア専門のヘアサロン「サロン・ド・リジュー」の代表・永本羚映子さんに、3回にわたり、季節の髪悩みを解決するためのドライヤーテクニックを伺いました。
第2回 髪のプロに聞いた!頭皮の蒸れやかゆみが気になるときの簡単ドライヤーテクニック第3回(最終回)華やかなヘアを演出したいとき、プラスひと手間のドライヤーテクニックながもと・れえこ●1961年東京生まれ。サロン・ド・リジュー代表、毛髪診断士。2002年、アンチエイジングの観点からヘアケアとスカルプケアに特化した専門サロンをオープン。現在はサロン運営のほか、髪と頭皮のための商品開発なども行う。大人の髪悩み Vol.1
湿気で髪がまとまらないくせ毛は、髪の乾燥や頭皮に原因が
毛量が特別多いわけでもないのに、梅雨時や夏の湿度の高い時季に、ボワッと広がって収まりがつかなくなる髪。これはどうしてなのでしょうか? 永本さんに伺いました。
「もともと髪にくせのある方は、髪が乾燥している傾向にあります。くせ毛とひと言でいっても、くせ毛には波状毛、捻転毛、縮毛、連球毛など様々な種類があります。現代の日本人の約7割は何かしらのくせ毛で、そのうち約7割が波状毛(うねり毛)といわれています。
うるおいの不足したくせ毛は、湿度が高くなると空気中の水分を吸い込んでしまい、さらに膨張してうねりや広がりを起こすのです」
また年齢とともに、乾燥以外にもくせが出てくる傾向もあるのだとか。
「加齢や紫外線による頭皮の老化が原因となることもあります。
頭皮のたるみにより毛穴が歪むことでそこから生えてくる髪にうねりができてしまい、広がりやくせ毛になることがあるのです」
写真/PIXTA湿度と加齢のダブルパンチには、「引っぱる × ドライヤー」で対策を
くせ毛の方に限らず、乾燥や加齢、そして生活習慣による髪の栄養不足が重なると髪老化が進み、なかなか改善の道は遠いものです。どうすればうまくまとまる髪を手に入れることができるのでしょうか。
「頭皮を健やかに保つためは、栄養バランスの良い食事や良質な睡眠、適度な運動に加え、日頃からヘッドマッサージを行って血流を促進し、弾力のある頭皮を育てるようにしましょう。
そのうえで、シャンプー後やスタイリングのときのケアでも、まとまりの良い髪を作ることはできます。
ドライヤーを使用する際は、根元を抑えるように髪を引っぱりながら、ドライヤーの風を根元から毛先へ、下に向けて当てるようにしましょう」。
またヘアケアアイテムの活用も欠かせない、と永本さん。
「シャンプーのあとの十分な保湿、スタイリング時のオイルコーティングなど、髪の保護アイテムをきちんと使うことで、日中の膨らみはかなり抑えられますよ」