「口腔ケア」で健康革命 歯や口腔の健康が全身の健康と密接にかかわっていることがわかってきました。歯周病があると動脈硬化や糖尿病、果ては認知症のリスクまで高まります。一方で、歯周病を治すとこれらの病気は改善していきます。まさに全身の病気は、口腔から始まっているのです。アンチエイジングを見据えた50代からの口腔ケアに今日から取り組みましょう。
前回の記事はこちら>> 集中連載「口腔ケアで健康革命」第5回では、チヨダオーラルヘルスケアクリニック コーディネーター近藤由美子さんに、毎日の習慣にしたい「口腔セルフケア」を教えていただきました。
チヨダオーラルヘルスケアクリニック コーディネーター
近藤由美子さん高津文美子式フェイシャルヨガ認定インストラクター。
50代からは「口腔セルフケア」を毎日の習慣に
ドライマウスを防ぎ、歯周病だけでなく全身の疾病予防にも貢献している貴重な唾液。口に入れた食べ物や、嚙むという動作が口腔内の唾液腺を刺激することで分泌されます。
糖尿病やシェーグレン症候群などの病気や薬剤の副作用で唾液が出にくくなっている場合は、主治医と相談のうえ対処する必要があります。一方で、普段の日常生活の中で唾液をしっかり出す習慣をつけておくことが何よりも大事です。
口まわりの「筋力トレーニング」と、「よく嚙むこと」が唾液分泌を促す
最も簡単な方法は、食べ物をゆっくりとよく嚙むこと。嚙む回数と時間が増えればその分唾液の量も増え、唾液に含まれる成分が食べ物とよく絡み、活性酸素を薄める効果も発揮されます。
日々多忙で、つい早食いになってしまうかたには、ガムを嚙むことをおすすめします。シュガーレスで、虫歯の発生を防ぐ効果のあるキシリトール50パーセント以上配合のガムを選ぶとよいでしょう。
私たちは嚙むとき、両側のあごの関節、左右の側頭筋や咬筋などを無意識にコントロールしながら動かしています。
簡単そうで実は高度な嚙む能力を維持するために、普段から口まわりの筋力を鍛えておきましょう。日頃あまり使わなくなった筋肉を意識的に動かす顔ヨガなども効果的です。
そして日頃から意識しておきたいのは、何といっても口の中を常に清潔に保つこと。これは唾液分泌に限らず口腔ケアの基本中の基本です。