私たちが輝くラグジュアリー美容 たるみをなくしたい、シワはいらない、パッチリした目もとに戻りたい。以前、化粧品では叶えられなかった願いが、最先端医療をヒントに開発された“効く”化粧品で実現する時代が到来しました。時代の最先端の化粧品を使い、思いどおりの若さと美しさを手に入れることこそ、今の“ラグジュアリー美容”といえるのです。
前回の記事はこちら>> 第3回では、化粧品メーカーが挑むテクノロジーの新領域をご紹介します。革新的な研究・技術力で様々なヒット商品が生まれる美容業界の、次なるキーワードは?ポーラ、富士フィルムに伺いました。
【ポーラ】筋肉の衰えまでもケアして10年前の目もとに
ポーラ B.Aリサーチセンターセンター長 医学博士
平河 聡さん皮膚表面だけでなく筋肉から若さを立て直す
まぶたのくぼみやたるみなどが目立つと、一気に老け込んで見えがちですが、小ジワやカサつきとは違って、問題の根源は肌ではなく筋肉の衰えに。それだけに化粧品による解消は難しく、従来は美容外科手術の範疇とされてきました。
それが現在では、こうした外科的範囲にまでケア効果を広げようという取り組みが進んでいます。
「目もとにくぼみやたるみが現れるだけで、顔全体の印象や年齢印象が大きく変わることは、印象評価の研究でも裏づけられています。そこで、くぼみやたるみが目立つ目もとの内部構造をMRIで調べたところ、眼輪筋の厚みが減少しているのが確認できました。
つまり疲れて老け込んだ印象のハリのない目もとは、皮膚が衰えているだけでなく、目もとの脂肪をしっかり押さえていた眼輪筋までが弱っていたのです。その結果、脂肪が下垂し、たるみや緩みが現れてしまったのです」と「ポーラ」のB·Aリサーチセンターを束ねる平河 聡さん。
研究の結果、上まぶたがやせてくぼんでくるのも、眼輪筋が薄くなることと関係していることが判明しました。
「つまり根本的に目もとのエイジングサインを改善し、生き生きとハリがあって引き締まった状態に整えるには、やはり皮膚のケアだけでなく、眼輪筋をパワーアップするアプローチが必要だったのです」
経皮吸収技術の進化で“塗るだけケア”が実現
とはいえ、化粧品によるケアだけで筋肉を強化するのは至難の業です。そこで、この難問をクリアするためにも先進の研究が。
「眼輪筋を細胞レベルで調べ、加齢によってMYH2というたんぱく質が減少して、しっかりとした眼輪筋細胞を作ることができなくなっているのを突き止めました。このような研究を経て、眼輪筋細胞に働きかけMYH2の生成を高めるオリジナル複合エキス、CFエキスの開発に至ったわけです。
化粧品のように皮膚に塗るだけで筋肉まで浸透してケアできるのかと思われがちですが、貼り薬や塗り薬などに使われている経皮吸収の技術は大幅に進歩していて、現在では皮膚を通して皮下脂肪や筋肉に働きかけることも十分可能なのです」
こうした技術を応用することで、皮膚だけを対象とするスキンケアではなく、皮下組織や筋肉にまで働きかける総合的なエイジングケアもすでに実現。エイジングケアの可能性が大きく広がっています。
眼輪筋の衰えが目もとの印象を左右する
右のように眼輪筋に厚みがあると、脂肪をガードルのようにしっかりと押さえていますが、眼輪筋が衰えると脂肪が下垂してまぶたがくぼみ、目の下にはたるみが生じます。
CFエキスが眼輪筋を強化
左は眼輪筋の成分(MYH2)が不足している眼輪筋細胞。右はCFエキスを添加した後の状態で、MYH2が増え密度が高まっています。MYH2は加齢により減少するので、増やすことは強力なエイジング予防。
資料提供/ポーラ