知っておきたい専門外来 治療を続けているのによくならない、今の治療効果に満足していない――。このような悩みを抱える人は少なくありません。こんなときに頼りになるのが「専門外来」です。一般外来ではなかなか受けられない個別性の高い治療が期待できます。
前回の記事はこちら>> 女性ホルモンの分泌が大きくゆらぎながら減少していく更年期は、心身に思いもよらぬ不定愁訴が現れます。しかし、これらの不定愁訴に対して決め手となる治療法はなく、そもそも何科にかかればよいのかわからないのが実情です。
今回は性差医療と統合医療をベースに、患者の訴えに耳を傾け、さまざまな不定愁訴に対応する女性外来を紹介します。
女性総合医療センター 副センター長
赤澤純代先生更年期の不定愁訴とは?
更年期とは閉経前後の約10年の期間を指す。日本人女性の平均閉経年齢は50.2歳だが、早い人では40代前半、遅い人では50代後半と個人差が大きい。
この時期は、卵巣の活動性が次第に消失し、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の値が大きくゆらぎながら低下していくため、心身にさまざまな症状(不定愁訴)が現れる。
ホットフラッシュ、めまい、動悸、肩こり、関節の痛み、冷え、気分の落ち込み、イライラ、不安、物忘れ、不眠などがよくみられる症状だ。これらの症状が重く、日常生活に支障をきたす状態を「更年期障害」という。
性差医療とは?
「病気の発症やメカニズムには男女で大きな差があり、同じ病気でも治療のアプローチが異なる」という考え方に基づき、健康と病気における男女の差を研究し、診療に役立てる医療。
1950年代に米国のバーバラ・シィーマンが始めた女性の健康を守る運動に端を発するといわれる。日本では2000年代初めにこの取り組みが始まった。
女性外来とは?
性差医療の考え方に基づき、女性の医師やスタッフが中心となって女性特有の症状や病気を診療する。
診療スタイルは多様だが、共通するのは症状を問わずどのような悩みにも対応し、初診に時間をかけて話をじっくり聞いてくれることだ。
2001年に鹿児島大学病院が初めて女性外来を開設し、2004年には全都道府県に広がった。2018年現在、女性外来を設置する医療機関は全国に300余りある。
こんな悩みは専門外来へ!
●不定愁訴に悩まされている
●受診すべき診療科がわからない
●じっくり話を聞いてほしい
●女性医師に診察してほしい
●全身のトータルケアをしてほしい
●健康と美しさを手に入れたい
次のページで詳細をご説明します。