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働き盛りの患者と家族の生活を支える「若年性アルツハイマー病」専門外来(前編)

2019.07.26

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知っておきたい! 頼りになる専門外来 治療を続けているのによくならない、今の治療効果に満足していない――。このような悩みを抱える人は少なくありません。こんなときに頼りになるのが「専門外来」です。一般外来ではなかなか受けられない個別性の高い治療が期待できます。今回は「若年性アルツハイマー病外来」についてです。記事一覧はこちら>>

認知症専門医、臨床心理士、看護師らの多職種がチームを組んで働き盛りの患者と家族の生活を支える


アルツハイマー病は高齢者の認知症の原因の約6割を占める進行性の神経疾患ですが、40〜50代で発症する人もいます。その数は10万~20万人ほどと推測されていますが、若年性に特化した専門外来はほとんどないのが実情です。今回は、働き盛りの患者とその家族の生活を支えることに注力し、発症予防にも取り組み始めた専門施設をご紹介します。

新井平伊(あらい・へいい)先生

アルツクリニック東京 若年性アルツハイマー病 院長

新井平伊(あらい・へいい)先生

1978年順天堂大学医学部卒業。84年順天堂大学大学院修了(医学博士)。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師を経て、97年より同大学医学部精神医学講座教授。99年に国内初となる「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年4月より現職。「アルツハイマー病研究者 世界トップ100」に選出されたことがあり、若年性アルツハイマー病の名づけ親でもある。「認知症になっても人生終わりじゃない」をモットーに患者と家族の生活支援にも力を注ぐ。

若年性アルツハイマー病とは?


アルツハイマー病とは、進行性の神経疾患で記憶力や思考力などが徐々に失われていく病気。高齢者の認知症の原因の約6割を占める。

40~50代の働き盛りで発症する場合もあり、65歳未満で発症すると「若年性アルツハイマー病」と呼ばれる。若年性は進行が早く、症状も重くなる傾向がある。

2009年に発表された厚生労働省の調査によると、推計される若年性認知症患者は3万7800人で、アルツハイマー病が原因の患者は全体の25.4パーセント(約9600人)だった。現在は10万~20万人いるとも推測される。

アルツハイマー病の原因とは?


アルツハイマー病の原因は不明。症状が出現する10年以上前から脳神経にアミロイドβたんぱくやタウたんぱくが沈着して神経原線維変化を起こすことが知られている。

進行すると脳神経細胞が破壊され、記憶・思考・行動が障害される。代表的な初期症状は物忘れで、手順を踏むような作業ができなくなったり、好きだったことに対して意欲がなくなったりするなどの症状がみられることも多い。

若年性アルツハイマー病外来とは?


65歳未満でアルツハイマー病を発症した人を対象に、治療だけでなくデイケアなどの介護サービスをコーディネートしたり医療福祉制度を活用して経済的なサポートを行ったりする。

さらに家族会を開催するなど介護する家族のケアにも取り組み、患者と家族の生活を総合的に支える。ただ、若年性に特化した専門外来はほぼないのが現状。

こんな悩みは専門外来へ!


●物忘れが目立つ
●伝言したことがうまく伝わらない
●会話が嚙み合わなくなった
●好きだった趣味に興味がなくなった
●よく知っている道なのに迷う
●家電製品の使い方がわからなくなった
●テレビや新聞を見なくなった など
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