「背中」からアンチエイジング第2回(全6回) 見た目が美しくなり、肉体年齢も若返る!見えないだけにお手入れも怠りがちになる背中。背中の美しさは、見た目だけでなく肉体年齢にも大きく影響することをご存じでしょうか。この夏、挑戦したい美しい背中づくりをご紹介します。
前回の記事はこちら>> 猫背は万病のもと。肺や内臓を圧迫し不調を引き起こす
整形外科医・スポーツドクター 横浜市立大学整形外科 客員教授
中村格子先生
整形外科専門医。Dr. KAKUKOスポーツクリニック院長。通常の整形外科診療のほか、医学的な知見をもとに体やスタイルを整えるボディワークの発案にも熱心に取り組んでいる。新著に『カラダのおくすり体操』がある。背中が丸くなると見た目年齢が加速する
「ご自分の背中を鏡に映して見たことはありますか。セルフチェックしづらい部分だけに気づきにくいものですが、加齢に伴い、背中のエイジングも進行しています」と中村格子先生は注意を促します。
背中の筋肉は意識しないとほとんど動かすことがないため、20代後半から衰え始めます。そして、使われない筋肉は脂肪となり、背中にたまっていきます。
背中に脂肪がつくだけで15歳老けて見える!
左は背中に肉襦袢を入れて脂肪がついた状態を仮作。脂肪がつくと背中が四角くなり、首も短く同じ人物とは思えないほど老けて見えることがわかる。「演劇では、若い役者が老け役をする際に、綿を仕込んだ襦袢を着て背中に厚みを出します。それだけで老け込んだイメージがつくれるからです(写真上)」。つまり、背中に脂肪がつくと老けて見えるのです。
また、肩甲骨を寄せる動きをしなくなると肩甲骨が開いて上がってきます。
「肩甲骨が背中に埋もれてほとんど見えなくなっている場合は、開いた状態になっており、改善が必要です」。背中が丸くなる猫背を誘発していることも多く、見た目も老けた印象を与えます。
一方、姿勢の悪さや骨格の変化も猫背の原因に。
「肺や心臓を包み込んでいる胸郭が下を向いたり、お尻の筋肉が落ちて骨盤が後ろに傾いたりしても背中が丸くなってきます」と中村先生は指摘します。
背中側から見た主な骨の位置
A:頸椎 B:肩甲骨 C:胸椎 D:胸郭 E:腰椎