「生涯現役」で輝く人生を 第3回(全5回) 90代を現役で活躍する女性たちは、なんと生き生きと輝いているのでしょう! 高齢になっても元気に過ごすために医療や栄養の専門家が注目するのが、50代からの「筋肉づくり」。将来の健康を左右する筋肉の重要性と、筋肉のもと、たんぱく質をしっかり摂れる三食の特別献立をご紹介します。
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「筋量を増やすことが“健康で楽しく長生き”の基本です」
元気な90代を迎えるために、50代からどんな生活習慣を心がけたらよいのでしょうか。医療や栄養の専門家が注目するのは筋肉を保つことの重要性です。筋肉のもととなるたんぱく質を十分に摂る食事法とともに伺います。
東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム研究部長
金 憲経(キム・ホンギョン)先生
筑波大学大学院スポーツ科学研究科修了。1998年より現職。「アクティブシニア『食と栄養』研究会」(https://activesenior-f-and-n.com)運営委員。フレイルと筋骨格系の健康テーマに取り組んでいる。筋肉のもとになる栄養をしっかり摂り、“食べて動く”生活を習慣に
75歳を境に身体機能や認知機能が落ち、要介護状態になる人が急に増えてきます。主な原因は筋肉の衰え。「80代、90代を元気に過ごすには、50代から筋肉を維持し、強化する生活習慣を身につけることが大事です」と金 憲経先生は語ります。
金先生が注目するのは、体の中で最も大きく、加齢とともに減りやすい太ももの筋肉(大腿四頭筋)です。
この筋肉が衰えると歩くのが遅くなる、歩幅が狭くなるなど歩行機能が低下し、転倒のリスクが上がります。また膝に負担がかかり、膝の痛みを引き起こします。
「やがて外へ出るのが億劫になり、人づきあいが減り、徐々に社会性が失われていきます。また、背筋や腹筋が衰えると背中が丸まって姿勢が悪くなり、さまざまな動作が緩慢になります。筋肉が衰えると、運動機能だけでなく意欲や楽しみといった心や脳の健康、見た目の若々しさも失われてしまうのです」