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ホルモン補充療法を始める前に知っておきたい5つの基礎知識Q&A

2019.11.14

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人生100年時代の「ホルモン補充療法」“攻め”の更年期 第4回(最終回) 人生100年時代の今、閉経後の50年余りを健康でいきいきと生活するためには、更年期の過ごし方が重要だと考えられるようになり、健康寿命を延ばす観点からも閉経によって欠乏するエストロゲンを補う「ホルモン補充療法」が注目されています。そこで、ホルモン補充療法のメリットを高齢期にも生かす“攻めの更年期”の過ごし方をご提案します。前回の記事はこちら>>
—ホルモンの変化に翻弄されない生き方を選べる時代だから—

ホルモン補充療法を始める前に知っておきたい
5つの基礎知識Q&A


ホルモン剤を使うと聞くと怖い治療だと感じる人がいるかもしれません。そこで、安心してこの治療を検討できるよう知っているようでよく知らない、HRTの基本的な知識について紹介します。
小川先生


東京歯科大学 准教授 市川総合病院産婦人科 医長
小川真里子(おがわ・まりこ)先生

福島県立医科大学卒業。慶應義塾大学産婦人科を経て2015年より現職。更年期医学と女性心身医学を専門とし、多くの女性のホルモンにかかわる悩みに対応している。日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医。

Q1.いつ始めるのがいいですか?


A1.気になる更年期症状があり、健康維持も目的とするなら早めに始めるのが効果的です。


「月経周期が乱れ、気になる症状があれば一度、この治療を専門とする産婦人科医(※1 女性ヘルスケア専門医)に相談を」と小川先生。

更年期症状の緩和に加え、閉経後の健康を維持する目的もあるのなら早期に始めたほうがよいといわれ、更年期はまさにHRTを開始するベストタイミング。

というのも海外の報告では、50代(閉経後数年)からのHRTは動脈硬化を抑え、狭心症や心筋梗塞を予防することが示される一方、60歳以上(閉経後10年以上)でHRTを開始すると狭心症や心筋梗塞が増加するおそれが指摘されているからです。

「60歳以上でHRTを希望する人は医師とよく相談しましょう」。

たいていの人はHRTの治療は可能ですが、身体状態によっては行えないことも(※2参照)。

また、開始前には各種検査が行われ、乳がんや子宮がんの確認のほか、検査結果をもとに使用する薬や用法用量などが検討されます。

※1 日本女性医学学会が認定する女性ヘルスケア専門医はHRTの治療にも詳しい。同学会のHPでは専門医名簿を公開。
URL:http://www.jmwh.jp/z-ninteisya.html

事前検査の種類(検査と確認する内容)


問診...今の体の状態や症状
身体測定...血圧、身長、体重
血液検査...ホルモンやコレステロール、中性脂肪、血糖、貧血の有無、肝機能など
内診・細胞診・超音波...子宮頸がん、子宮体がん及びその他の婦人科疾患の有無
乳房検診...乳がんの有無
このほか、骨量を測り今の骨密度を確認したり、心電図、心理テストを行うことがある。



HRTができない禁忌症例(※2)


● 重度の活動性肝疾患
● 現在の乳がんとその既往
● 現在の子宮内膜がん、低悪性度子宮内膜間質肉腫
● 原因不明の不正性器出血
● 妊娠が疑われる場合
● 脳卒中の既往
● 急性血栓性静脈炎または静脈血栓塞栓症とその既往
● 心筋梗塞および冠動脈に動脈硬化性病変の既往
『ホルモン補充療法(HRT)ガイドライン2017年版』日本産科婦人科学会/日本女性医学学会編集・監修を参考に作成



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