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がんになった医療者の治療選択と向き合い方。産婦人科医 杉山 徹さん 第3回(前編)

2017.11.10

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産婦人科医が肺がんになった場合

肺がんが見つかり、治療を受けてから7年が経過して、ほぼ治癒とみなされる状態になった杉山 徹さんは、病院長として産婦人科教授としての日常を取り戻しています。第3回では、がんになって人生を仕切り直したという杉山さんの今の思いと活動、これからの抱負を伺います。



岩手医科大学 附属病院 病院長 医学部産婦人科学教室 主任教授

杉山 徹(すぎやま・とおる)さん 65歳



1952年熊本市生まれ。78年久留米大学医学部卒業。82年に同大学大学院医学研究科博士課程を修了し、国立小倉病院、国立久留米病院、聖マリア病院などに勤務。
87年久留米大学医学部助手、98年に助教授。
2002年、岩手医科大学医学部産婦人科学講座主任教授に就任。
10年に肺がんが見つかり、福岡と東北で治療。
12年に岩手医科大学腫瘍センター長、16年に附属病院長となる。
16年からNPO法人 婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)理事長を務める。

杉山 徹さん がん治療の経過(2017年9月現在)


2010年5月:一般健診で肺に影が見つかる
職場の一般健診で肺に影があることがわかり、過去の検診データやPET/CTの画像を調べて肺がんと確信。自宅に近い九州がんセンターで手術を受けることに決める。

2010年8月:肺がんの摘出手術を受ける
九州がんセンターで手術を受け、4cm強のがんを摘出する。肺腺がんで、ステージは当時の基準でⅠbだった。

2010年9月:薬物療法を開始する
再発予防のために術後化学療法として抗がん剤の治療を受ける。骨髄抑制、脱毛、皮膚炎といった副作用を経験する。

2011月2月:分子標的薬を服用し始める
友人の医師のすすめで分子標的薬のゲフィチニブ(商品名イレッサ)を半年間服用する。

2011年3月:東日本大震災。岩手県沿岸部の産科医療の確保に奔走する
薬物療法を続けている最中に東日本大震災が発生。岩手県沿岸部の妊産婦の診療を確保するために指揮を執る。

2015年8月:治癒したとみなされる
治療を開始してから5年経ち、再発や転移は見られず、治癒したとみなされる。

2016年4月:NPO法人 婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG)理事長に就任
JGOGの理事長として、全国の産婦人科医や腫瘍内科医らとともに婦人科がんの臨床試験の推進に注力している。
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